「はぁはぁ」

僕の乱れた呼吸をする音だけする。

目の前にいるアルス様は息を一つとして乱していない。

はっきり言ってレベルが違いすぎると思う。

だけど僕も最初の頃よりは格段に強くなった。

アルス様から習った事は、基礎的な体術、武器を使った剣術等の技、最後に魔法。異世界で必要な事は多分全て教わったと思う。

そして、達成感の余韻に浸っていると、

「零君頑張ったねお疲れ様。」

「アルス様ありがとうございます。これで僕は異世界に行けます」

「じゃあ休憩したら転生させるからそれまで休んでて。一応僕も準備があるから」

アルス様にわかりましたと言うとアルス様はどこかに行った。

楽しみだなーどんなところだろう。

初めの頃に聞いたことがあるけど、地球で言う中世のヨーロッパみたいな感じだって言ってたけど想像があまりつかないなー

そんなことを考えているとかなりの時間が過ぎていった。

ぼーっとそんなことを考えていると目の前に急にアルス様が現れた。

「おまたせ！れ「うわっびっくりしたー」」

急に現れたアルス様にビックリした僕は後ろにひっくり返った。

「あはははは。大丈夫？零君それじゃあ準備ができたから行こうか。最初に言うけど君が転生する場所は森の中だから頑張ったね」

なんで森の中なんだ？

「それは簡単だよ君は僕相手には戦ってきたけど魔物とか獣とかとは戦っていないからね。しっかり慣れなきゃいけないし、あといきなり人が目の前に現れたら街の人が驚くだろうし」

あぁそう言うことか。納得した僕は少し気になったことを質問した。

「あの近くに街とかありますか？あと、川の近くに転生させることってできますか？」

やっぱり近くに街がある分にいいし、最悪川を下れば村か、どこか人がいる場所に行けるだろうし。

「それについては大丈夫だよ。近くに大きな川があって、その川を下って行けば街に着くから」

じゃあ特に問題はないかな。

「聞きたいことももうないようだしじゃあ転生させるね」

転生か楽しみだな、どんなとこなんだろう。

「じゃあこの世界でこれから頑張ってね」

僕はアルス様の言葉を聞いたあとアルス様に向かってお辞儀した。

「ありがとうございました。アルス様」

僕がそう言い終わると僕の体は光に包まれた。

零を転生させた後の神界では

「頑張ってね零君。」

零を送ったアルスは優しく微笑みながらそう呟いた。

そんなアルスの背後から、

「あの子行ったの？」

その声を聞いたアルスは微笑んでいた顔を引き締めてその人物に跪づいた。

「はい、たった今転生させました創造神様。恐れながら申し上げます、何故零君の事を気にかけるのですか？」

アルスが急に畏まるのは当然の理由があった。

理由は一つアルスより創造神の方が神としての位が上だから。

神の世界は典型的な縦型社会で位が上の神の言う事は絶対でその中で創造神は一番位が高いため他の神も同様に従うしかない。

「私はあの子のことが気になる。それにあんなことをされたのは初めて。あとあの子は何かを抱えている私もはっきりとは見えなかっただから、心配している。理由はそれだけ」

アルスは表情に出さないが内心とても驚いていた。

創造神には心を読まれているだろうがそれよりも創造神が誰かに興味を抱くこと自体が信じられなかったからだ。

アルスも零が心の奥深くに何かを抱えていることには気付いた、だけど創造神ですら分からない何かを抱えている、

そのせいで力がしっかりと出ていなかった。はっきり言って零に戦い方を教えていたときはかなり大変だった。そこで問題なのが零の抱えている何かが何かそれに触れて零が暴走してしまわないか心配でそれこそアルスでは勝てないそのためアルスは簡単にその何かで暴走しないように何かには封印魔法で魔法をかけたがそれでも不安だった。だけどそこに創造神が気にかけていることは零が万が一暴走したとしても止めて貰えるかもしれないそんなことを少し期待しながらもし零を止めなかったことを考え、アルスは創造神にあいさつをして何億年かぶりに自分を鍛えるため特訓しに行った