『小さなお話し』 その49
やましん(テンパー)
『収集癖』
『このおはなしも、フィクションであります。意味のないおはなしでありますが、自宅待機のばあいなど、すこしでも、時間潰しになれば、幸いであります。』
ごき大将は、やましんちの地下にある、『ごき防衛大学』で、新入生に講義を行った。
『あらとあらゆる生き物には、それぞれに、多かれ少なかれ、収集癖がある。ワンなどは、個性が豊富である。
収集癖のあり方を、的確に把握しておくことは、戦術上、有益である。
わんは、本来、おそらくは、太古の狩猟などから得た収集本能がある。
にゃんも、そうである。
ただし、個体差がある。
カラスも、収集癖がある。
もちろん、基本的には、食糧の備蓄であることが、多い。
もっとも、最も、収集癖が激しいのは、当然、人間である。
とくに、お金にめがない。
人間自身は、経済活動は、収集癖ではないと言うが、我々から見れば、明らかに、やたら、お金をためこんで、威張っているだけであり、にゃんやワンと、大差ない。お金が、宝石や、金(きん)や、証券に化けることがある。さまざまな形に分散させて、喜んでるのも、人間の特徴である。』
『やましんさんの部屋には、レコードとか、いうのが積まれてますが、あれは、コレクションというものですか? コレクションは、同義でありますか?』
ある、ごき学生が尋ねた。
『やましんさんの場合は、いわゆる、強迫観念が強い、脅迫神経症、最近は、脅迫性障害といわれるが、そうした病理的問題があると思われる。一枚200円くらいで、買ってきては、喜んで、聞いてる。あれは、くらしく音楽とかが、好きだからである、しかし、人気がないので、もし、ショップに、持ち込んでも、一枚1円くらいにしか、ならないのだと聞く。つまり、経済的価値は、ほぼ、ない。千枚持って行っても、1000円か、2000円……か、である。それでも、処分しかねているところには、やはり、精神的問題があるのだ。以前、いえネズミ准将が、そこを狙って、あちこち、かじらせてみた。彼らには。よい、訓練であった。』
『なんと!』
『うむ、しかし、全員、やましんさんの、激しい、ほうふくをうけたのである。准将も、最後には捕獲された。みなごろしになった。』
『おお〰️〰️〰️❗おそろしやあ‼️』
『だから、注意が必要である。われわれにも、人間社会にも、まったく、がらくたでも、本人には、宝物なのだ。あれ以来、ネズミ集団は、やましんさんとの、平和を維持している。われわれも、融和策に出ているゆえんである。やけおこされたら、ひじょうに、あぶない。本人が、宝と、信じているものの場合は、戦略上、ひじょうに、警戒が必要であるのだ。』
『あの、大将は、たしか、きらきらの、バッジが、お好きとか?』
ある、反抗的な学生が尋ねてきた。
『む、ああ、それは、誤りであることを、この際、明確に言っておこう。そのような、事実はない。噂で、短絡的な行動を、してはならんのである。』
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ネコママ
『あらあ、きれいな、バッジね。やましんさんの忘れものかな。ふふふ、大将さんに、プレゼントしようかなあ。あれで、大好きなんだから。この、お顔は、べー先生とかいう英雄ね。』
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おしまい
『小さなお話し』 その49 やましん(テンパー) @yamashin-2
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