「大好きでした」と叫ぶ僕に「大好きでした」と返す君

桜の花びらが舞う中で

卒業証書を持って笑う君



いつまでも子供だと思ってたけれど

いつの間にか大人になっている



ゲラゲラと笑ってた君は

クスクスと笑うようになって


ドタバタと走っていた君は

パタパタと走るようになって


ポコポコと叩いてきた君は

ツンツンとつつくだけになった



今日で最後の通学路

上目遣いになった君と

もう一緒に歩くこともない



お互いに卒業証書を振り合いながら

別れの挨拶をかわす


「元気でね」

「うん、元気でね」


「また遊ぼうね」

「うん、また遊ぼうね」


「じゃあね」

「うん、じやあね」



桜の花びらが舞い散る中で

まるでこだまのように繰り返す



手を振りながら去ろうとする君の

別のこだまが聞きたくて

「ねえ」と呼び止める



振り返る君に精一杯の

「大好きでした」



きょとんとする君の顔から笑顔がこぼれ

聞きたかったこだまが返ってくる

「私も大好きでした」



泣きながら走り去っていく姿を見送りながら

笑顔でバイバイ



僕の「大好き」は「Love」のほう

伝えられなかったその言葉は

春の風に乗って空に飛ぶ


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