第九話 準備

 琢磨は撫子に今日聞いたことを全て話した。撫子は案の定怒り、「あんなやつら潰してもいいですよね」とか言ってきた。

 琢磨は撫子に、


「怒りに身を任せて行ったものは殺人と変わらない。」

「でも、さすが許せませんよ」

「まぁ、その意見はごもっともだ」

「だったらなんで怒りに任せてやったら」

「それはな周りが見えなくなるからだよ。やった後のスカッなんかしない後悔しか残らない」

「・・・・・・」

「だから怒りじゃないなければいいのだ。鬼であれば怒りじゃない」

「え?なんかおかしく?」

「何がおかしい、大江山の茨城童子(いばらきどうじ)に酒吞童子(しゅてんどうじ)なんて元々悪だろ。怒りに身かせてやれば殺人と変わらないが、元々悪でさえあればいいのだよ」

「?」

「つまり、鬼だったら何してもいいただ最後に神に討たれてハッピーエンドで完結だぜ」

「は、はぁ?」

「分からなくてもいい。そっちのほうがいい。それに俺は鬼になればと言ったが鬼になるつもりは一切ない」

「分かりました……」


 納得してない表情を浮かべる撫子。覚悟を決意した琢磨。

・・・

 次の日。琢磨は着々と証拠を集めて回り、順当に証拠は集まってきた。

 一週間で準備を整え、琢磨は神刀を腰に差したのだった。

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