第42話 なんでリアルがこんなところに?
あたしは思わず目を閉じた。
目を開くと。グッキーは無事だった。
猫はグッキーが上に乗っかっているのに目を覚まさない。
まさか死んでるの?
庭に出て猫に近づいてみた。
グッキーは猫を恐れるどころかじゃれついている。
あれ? この猫の首輪!!
「リアル!? 」
なんでリアルがこんなところに?
さてはこっそりついて来たのね。
でも、なんで目を覚まさないの?
抱き上げて見たけど、息もしているし、心臓も動いているのに。
「瑠璃華ちゃん。グッキーはいた?」
「いました」
「そ……その猫は?」
おばさんはよっぽど驚いたのか、サンダルも履かないで芝生に降りてきた。
でも、足が縺れて転びそうになる。あたしは慌てて駆け寄りおばさんの身体を支えた。
左腕に猫を抱えながらやったので、あたしまで巻き込まれそうになったけど。
「おばさん、安心して。この猫はグッキーを食べたりしないから」
おばさんはあたしの腕の中のリアルを覗き込む。
「こ……この猫……はどこから?」
どうしたんだろう? グッキーが心配なのはわかるけどひどく動揺している。
「すみません。あたしの猫です。ついてきちゃって」
「瑠璃華ちゃん。猫飼っていたの?」
おばさんはようやく落ち着きを取り戻した。
「ええ? この前、お葬式の帰りにこの子を拾ったんです」
「拾った?」
「あ!! でも、大丈夫です。この子頭いいからグッキーを食べたりしません」
「そう」
おばさんはリアルに視線を向けた。
「寝てるのかしら?」
「わかりません。あたしが家を出た時は元気だったのに」
「病院に連れて行った方がいいわね」
「そうします。でも、土曜日に開いてるかな?」
「午前中なら開いてるわよ。急いだ方がいいわ。真の自転車を使って」
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