第6話

 幸子はこの後、きれいだが校庭の隅のウサギ小屋のように狭いこの部屋で起こることを想像する。

 せめて須藤の口が、体が臭くなかったらいい。

 幸子は優しく端正だった父の整髪料の匂いを思いだそうと必死になる。

「これも芸能界の洗礼だよ」

 そう言いながら、須藤が幸子の安い、明るい色をした服を脱がしていく。

 ゆっくりと丁寧に。

 須藤は感動しているのか、興奮しているのか、紅潮して目に涙を浮かべはじめる。

 剥かれながら涙流されるって・・・私、玉ねぎ? 天使じゃないの?

 幸子はあっという間に全裸にされた後、須藤に侵入された。もちろん潤うこともなく。

 いま思えば、須藤のそれは大層小さかった(子供だったからそれでも苦痛だったが)。

 処女を奪った男が小悪党だったことが問題なのではなく、短小だったことが私の運の無さを示していると思う。

 幸子の膨らみはじめた胸を撫でながら、須藤は耳元でささやいた。

「これからこんなことが何度か続く。でも、それはこれからのステップアップに必要なことなんだよ。ほら、握ってみ」

 須藤が自らに幸子を誘導する。

 それは小さいがシーツの下できりっと上を向いていた。

 幸子はこれで成功がつかめるのかと半信半疑だったが、ゆっくりと須藤に添えた手を上下させてみた。

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