相手のことを見てない

『兄弟姉妹でさえ、<必要な言葉><必要な接し方><言葉を掛けるタイミング>等々が違うのに、赤の他人にそのまま当てはめるのはマズい』


それを大前提とした上で、でも、ほとんどの場合に当てはまる大事な部分もあると思う。


『相手のことをよく見る』


のと、


『相手を敬う』


ってことかな。


相手に適した対応をするためには、結局、その人のことをよく見て、その人の反応を適宜検証して、その度に微調整していく必要があるでしょ? 


人間相手の仕事とかしてたら分かると思うんだ。マニュアルどおりにやってて上手くいく場合と上手くいかない場合があったりするって。


『同じ言葉を掛けたのに、前は喜ばれたのに、今回はキレられた』


みたいなことってない? 同じ言葉を同じタイミングで掛けても、人によって受け取り方が違うってことない?


子供相手だってそれと同じことだよ。


『決まったことを決まったように言うだけ』


っていうのは、実は、


『相手のことを見てない』


ってことなんだ。相手がその時、何を感じて何を考えてるか見ようともしないで察しようともしないで画一的な対応をしようとするから、神経を逆撫でしちゃったりする。


自分もそういう経験ない?


『あ、これ、ただマニュアルを読んでるだけだ』


みたいな対応されてなんか嫌な気分になった。ってことがさ。


そしてそれは、


『相手を人として敬ってない』


ってことなんだ。客商売でそれをしてたら、


『相手を<人間>じゃなくてただの<金づる>としか見てないからいちいち丁寧に対応するのが面倒臭くて決まったとおりの対応しかしない』


みたいに感じない? 気分悪いよね。気分悪いと感じる人もいるよね? でも同時に、気にしない人は気にしないってのも事実。つまり、もうその時点で、


『同じやり方は通用しない』


ってことなんだよ。


相手を人間として敬ってたら、


<決まったことを決まったとおりにするだけの機械的な対応>


なんてやらないんじゃないの?


私と私の夫は、子供達のことを、


<私達とは別の人格を持った存在>


として敬ってる。敬うようにしてる。


そして私達がやってることを、子供達も真似してくれてるだけなんだ。


これは、


<口先だけで語る道徳論>


とは違う。


<本当に普段の何気ない振る舞いの手本>


なんだよ。


だから、私の子供達は、くだらない些細な理由で他人を馬鹿にしたり貶したり腐したり攻撃したりしないんだ。


いるでしょ? 息をするように他人をからかったり馬鹿にしたりする人。私の子供達はそれをしないんだよ。する必要がないんだ。


する必要がないように、私と私の夫がそうしたんだよ。


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