第56話
俺達が亜人ギルドを作って1ヶ月…。ようやく俺たちはダンジョンに挑むことにした。王国にはふたつのダンジョンがあるのだが今回はそのうちの一つ、キリアダンジョンに挑む。
メンバーは俺、ルア、そしてエマの3人だ。レイやミラからは「「俺(私)も連れてってください!」」と頼まれたが却下した。何度もお願いされたが何とか引き下がってくれた。
「俺がいない間に亜人ギルドの警護を頼んだぞ」
と言えば渋々だが頷いてくれた。まぁ、そんなことはないと思うが俺がいないタイミングで亜人ギルドをおそってくる連中がいないとも言いきれないからな。
ちなみにだがまだギルドらしいことはしていない。商売よりまずは戦闘技術を優先しているからだ。そろそろ始めようかとは思っているが。
俺も1ヶ月もただ亜人たちの修行に付き合っていた訳では無い。もちろん自分の魔法の研究も行っていた。魔法の新しい使い方もいくつか見つけている。
ついでに王国を走り回って可能な限りゲートで飛ぶことができる場所を増やした。これで商売を始めても移動はしやすくなるはずだ。
「ねぇこれから行くダンジョンってどんなところなの?」
「おぉ。一応ギルドで情報は仕入れてきたぜ。キリアダンジョンでは他のダンジョンと比べて小型のモンスターが多いみたいだな。それでまだ50層までしか確認されていないみたいだな。」
小型のモンスターが多いということであまり人気がないらしい。金になるものが少ないからだろうな。俺たちの目的は金ではなくダンジョン攻略なのであまり意味は無いが。
俺とルアはリラックスしている状態に対してエマはかなり緊張していた。
「そんな緊張するな。あんな厳しい訓練にも耐えたんだ。エマは強い。それになにかあっても守ってやるから」
「え…えぇ。分かってるわ。」
どうやらガチガチのようだな。まぁ、前までは一国の王女さまだったので当然と言われれば当然だが。だが俺の厳しい訓練のおかげでエマもかなり強くなった。恐らくだがレベルはまだ低いが戦闘では御使い共より何倍も強いと思う。それにこの1ヶ月の間に何回かギルドでクエストを受けているので大丈夫だと思うんだけどなぁ。
ちなみにだがレベルはそこまであげなくてもエマは強くなれた。レベルをあげることで身体能力は向上するんだろうがそれ以外にも身体能力を上げる方法は存在するってことだな。ただどれだけ訓練しても魔力や体力が上がる訳ではなさそうだった。それに加えて面白い結果が出た。訓練で筋力をあげた箇所はレベルで大きく数値が伸びた。
例えばエマの場合は脚力。そうすると敏捷がかなり上がった。いいデータが取れたなぁ。ちなみにこれは二人には言ってない。これをいえば「実験した!」って怒られそうだからな。別にそんなつもは無かったんだが。
俺はちょっと今回のダンジョンにワクワクしていた。久しぶりの戦闘なのですごく楽しみだ。前回と違って今回はフル装備だからな。
ちなみにだが今回は全員にアイテムボックスを渡している。小さな袋に俺が魔法陣を書いたものだが。そこにはそれぞれの武器や食料なんかが入っている。
「さぁ、ついたぞ!」
目的地のキリアダンジョンだ。ラギルダンジョンと同じく入口には兵士が居るが事前に王様に言っておいたおかげで顔パスで通ることが出来た。
「ルア、エマ。ここからは一切に気を抜くなよ。たかが一階層でもだ。」
どんなトラップがあるか分からない。ラギルダンジョンでもそれで失敗したからな。
「えぇ!」「もちろん!」
「よし。行くぞ!」
「「おぉー」」
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