第9話閑話 夜の闇
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Side???
異世界転移組が全員寝ている深夜2時。
「メチルク!ラクルス騎士団長とキリカ魔法師団長を呼べ!人が揃い次第、御使い様に関する定例会議を始める!!」
「かしこまりました。我れが王よ」
間もなくして
「ラクルス騎士団長とキリカ魔法師団長が、到着なさいました。」
「そうか。それでは定例会議を始める!」
参加しているのはラフター王、メチルク宰相、ラクルス騎士団長、キリカ魔法師団長、シャルロット第1皇女、レオン第1皇子の総勢6人だ。
シャルロット第1皇女は、預言者の立場から、レオン第1皇子は次期皇帝となる立場からだった。
「キリカ、ラクルス、御使い様の訓練はどうだ?」
「はっ!御使い様全員が素晴らしい才能を持ち、魔法の腕をどんどんとあげています。ダンジョンでもご活躍が期待されます。特に住野様と王確様は、抜き出ていますね。お2人は既に中級魔法の取得に至っています。私も舌を巻くような成長速度です。すぐに私を追い抜くでしょう。」
「騎士団も似たような感じですね。スキルがあるとはいえ、御使い様方は素晴らしい成長速度です。王確様には聖剣を使われると、今の俺では太刀打ちできないでしょうね。それと、大垣様も初日での、模擬戦以降とんでもない速度で成長しています。」
「…メチルク、シャルロット、「無」職の司馬様について調べたか?」
「は!一応文献はあさり、色々な知人に聞いて回ったのですが…今までそのようなことは1度もなかったとの事。過去の勇者召喚でもそのような人物は1人もいませんでした。」
「私も同じですね。召喚の時以降ゼヘム様からのお言葉はありません。私の予想では今回の勇者が過去より強いのはあのようなものがいるからではないかっと予想しています。」
「私もそう思っている。…しかし、ステータスでは何倍も差があるのに超拳士である大垣様に勝つことができるとは。」
「あの模擬戦を見ていましたが、大垣様の全ての攻撃に反応していました。戦いの工夫もあったことからおそらく、彼には何らかの実戦を行ったことがあるのでしょう。剣の腕なら私と比べても遜色ないでしょうし。」
「そんなにか…」
「魔法も無属性のみではありますが、必死に習得しようと努力なさっていました。今でも魔法と剣の腕を彼1人で磨いているのを見たという者も沢山います。」
「最近は、多くの書物を読んでいるとの事。もうほとんどの書物を読まれたでしょうね。」
「…そうか。して、どう思う?」
「どう思う、とは?」
「殺すべきか、否かだ。」
「「「「「!!!?」」」」」
「…早急では?」
「しかし、ダンジョン内であれば、事故にみせかけることが容易だ。チャンスだろう。」
「そうですが…しかし…御使い様を事故でも亡くなったっと言うのは他国にとっては…あまり面白いことではないでしょうな。」
「それについてなんですが…私たち姉兄の中では」
「始末するべきだと考えています。」
「おそらく彼は、成長速度もこの世界の一般人と同じぐらいでしょう。それでは、魔王討伐の旅には足でまといにしかなりません。」
「お遊びで魔王を討伐に赴かれるのは同行する騎士団や魔法師団には困りますが…後方支援はできるでしょうし」
「うぅむ…スマンがメチルク…勇者様を呼んできてくれ。彼に判断を仰ごう。」
「は!」
そうしてしばらくして
「勇者王角、お呼ばれにより参上致しました。」
「そんなにかしこまらなくてよい。それよりも司馬様に関することで相談があってな…」
「司馬…ですか…」
そうしてラフター王はこの会議の内容を王角に話した。
「私は…彼を殺すべきだと思います。」
「…理由は?」
「私はお遊びで魔王を討伐する訳ではありません。この世界の人を思って真剣に訓練をして力を身につけ、この世界の人々を救いたいと思います。それに足でまといがいるのでは…厳しいものになるでしょうから。」
「…了解した。それでは司馬様の暗殺することにする。…異論は認めん。すまぬが、勇者殿協力して貰えぬか?」
この時、会議に参加している誰も気づかなかった。王角が不気味に、笑っていることに。
「…はい!もちろんです。この世界を救うためならどんな事でもしましょう!それに彼を疎ましく思っている奴らも、沢山いますから…」
そして、誰も知らなかった。この流れを作り出したシャルロットとレオンは王角に頼まれて司馬を始末して欲しい…と言われたことに。
シャルロットは勇者王角を、レオンは住野を欲してその願いを叶えたことに…
こうして夜が更けていく。
歯車を狂わしながら─
[後書き]
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