第10話準備

俺たち三界高校2年3組がラクル帝国に異世界転移してからちょうど1ヶ月。




俺たちは明日、全員でラギルダンジョンに向かう。




2日前に


「今回は全・員・でラギルダンジョンの探索に参加してもらう。怪我をすることもあるだろう。しかし、魔王を討伐するまでこの世界にいてもらうことになる。ならば1度ダンジョンに向かい、魔物と相対することはこの世界で生き残る上で、必ず必要な経験になる。もちろん、騎士団、魔法師団も同行し、御使い様への身を第一に考えて行動する!」




と、王様が宣言したのだ。何となく上手く言いくるめられた気がするが、そんなことを思っているのは俺だけみたいなので気の所為だろう…




それに備えて今日は訓練がなかった。と言っても俺は訓練に参加していないがな。




あれからこの世界についてわかったことがかなりある。が取り立てて言うと4つ




1 時間の流れは元の世界と同じらしい。1週間は7日で1日24時間


というふうに。これは調べる前から何となくわかっていた。




2この世界の金について、この世界では3国共通して同じお金が生み出されている。




銅貨1枚=100円ぐらいだと思う。そして


銀貨1枚=銅貨10枚


金貨1枚=銀貨10枚


白金貨1枚=金貨10枚


虹貨1枚=白金貨10枚




となる。虹貨1枚で100万円だと予想できる


これ1枚で、かなり遊べるぞ…




3 魔物については、色々な種類があった。魔物はランクわけがされていて、一番下から順にF→E→D→C→B→A→Sとなるようだ。これより上は幻とされているが、SS,SSSとなるようだ。




4 歴史と伝記について。これは1番調べた。特に勇者について。勇者は魔王討伐だけでなく、文明の発展にも尽くしているようだ。たとえば、調味料。この世界の調味料は過去の勇者が自分で作り、それを広めたようだ。他にも色々見たんだけど、大したことはわからなかった。




他にもこの世界には亜人種がいるようだ。ラノベでよく見るケモ耳のような女の子をいつか見てみたい。




だが、この国では亜人種は人とは認めて貰えず、奴隷としての扱いになるそうだ。人と獣が混ざった亜人は神への冒涜とされているとか。王国は、奴隷を認めていないから他の国より比較的多くの亜人種がいるみたい。




そして気になる伝記があった。初代勇者の仲間の日記?みたいなものだ。それをまとめると




[昔、この世界には悪魔と天使族がいた。悪魔と天使族は日々争っていた。状況は拮抗していた。しかし、ある日突然現れた魔王によって状況は変わる。魔王は悪魔と協力することにした。天使族はこのままでは負けてしまう、そう思い、魔王に対抗できる勇者を召喚することにした。これが初代勇者だ。勇者は魔王を倒し、天使族も悪魔に打ち勝った。こうして世界は平和になったのだ。]




これは童話にもなっている。子供に聞かせるのだろう。おそらく悪魔とは魔人族のことだろう。なら、天使族とはなんだ?その時代にいた人間のことか?しかし、これは今でも解決されておらず、学者が今も解き明かそうとしているのだとか。




今日までで知ったことはこのくらいだな。




さて、寝るか!明日はダンジョン攻略だ!!




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Side???


「計画は順調か?」




「はっ!準備は完璧で打ち合わさは何回も行いました! ダンジョンのマップは完璧に頭に叩きこみましたので、失敗は起きないでしょう!」




「そうか…チャンスはたったの1度きりだ。失敗は許されん!いいか!?証拠だけは絶対に残すな。これが他国にバレたらとんでもないことになる。」




「もちろん了解しています。万が一にも失敗は起きません。全て、ダ・ン・ジ・ョ・ン・で・の・事・故・を起こすだけですから。」




「そうか…それでは




司馬太一暗殺計画を始める─」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


Side 司馬太一




う、う〜ん…眠い…誰かの声が聞こえる。




「司馬様、司馬様お目覚め下さい。朝食が無くなってしまいますよ?無しでいいのですね?」




「絶対に食べる!!」




「お目覚めになりましたか。いつも通りこちらに朝食を運んで置きました。」


「ありがとう!」




リズが俺を起こしてくれたようだ。最近は俺とリズも少しフランクに話せるようになっていた。時折、ジョークまで行ってくれるようになった。




「今日からダンジョンにお向かいになるのですね。」


「あぁ、1日では帰って来れないらしい。だから、会えるのはいつになるか分からない。」


「お気になさらず。ゆっくりと休暇を楽しみたいと思います。」




「ごめんな。いつも俺の世話をしてくれて…」


「そうですね。本を何冊も運び、食事を運びとかなりの重労働でした。」


「ほ、本当にごめんなさ…」




「ですが、辛い、とおもったことは1度もございません。むしろ司馬様といて楽しかったです。謝らないでください。」




「うん、ありがとう!行ってくるよ!」


朝食を食べ終わった俺は荷物を整え、部屋を出て集合場所に向かおうとする。




「はい。ご武運を。」








集合時間ギリギリに集合場所に着いた。そこには既にメンバーがいた。すると、既に居た住野さんがこっちに笑顔で向かってくる。


「おはよう!司馬くん!最近は、訓練にも参加してないから出会うことがなかったから心配してたけど、うん!顔色もいいし、元気そう!安心したよ!」




そう言って俺に話しかけてくる。優しいとも思うが、周りからの視線が痛いので、関わるのは遠慮していただきたい。




そんな住野さんの格好は長袖で全体が青の魔法師団の服に似ている装備を着て、杖を握っている。




俺の装備は、皮の鎧と鉄の剣だ。他の剣士も似たような格好。


勇者王角は、金色の鎧を全身にまとっている。顔だけは何も装備していない。鎧も歴戦の職人が作ったもので素材も特別らしい。そして聖剣を身につけている。




「おはよう、住野さん。心配してくれてありがとね。僕は大丈夫だよ。部屋にいたとはいえ健康的に過ごしていたしね。それより、今からダンジョンだけど緊張とかしてないの?」




「うう〜ん、あんまりしてないかな?上層だけらしいし安全みたいだからね。司馬くんは?」




「ちょっとしてるかな。魔物も見たことないし…」


「ふふっ。だ〜いじょうぶだよ〜!何かあったら私を呼んで!」




「あぁ、住野さん賢者だったもんね。」


住野さんはこのクラスの中では2、3番を争うぐらいに強い。もちろん1番は大角。強くて可愛いとか無敵だ。




「ちょっと馬鹿にしたでしょ?まぁいいけどね!何かあったらすぐに呼んでね。助けに行くから。」




「ありがとう。俺は「無」職で弱い。けど、出来るだけ自分で頑張ろうと思う。それに助けを呼びすぎたら住野さんも大変だし。」


「そんなこと気にしなくていいよ〜。気軽に呼んで!絶対に無茶しないでね。死んじゃダメだよ?」




「わかった。約束する。」




そんな話をしていると、




「全員揃ったな!それではこれよりラギルダンジョン探索に向かう!目的は御使い様のレベルアップ!潜る者は、御使い様全員と、騎士団長ラクルス率いる騎士団30名、魔法師団長キリカ率いる魔法師団30名だ!それでは、潜る!ここからは一切に油断しないように!」




「「「「「「はい!!」」」」」




そうしてラギルダンジョンに向かう─










後書き

次回からラギルダンジョンに、潜ります。


レビュー、星、感想等よろしくお願いします。


めちゃくちゃ励みになりますので。




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