能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
第1章 異世界に転生しちゃいました?
第1話 ある日突然の事でした
急げ。急げ。
私、
4月も2週目になろうかという頃だが、この時間はまだ肌寒い。
顔には
退社時間を
きっと今日も間に合うはず。
でも
――もし
タクシーは?…お
ホテルは?…タクシー並みにお金がかかるので、これも
あとは、駅近くの3階建てのネットカフェ。女性専用フロアやシャワールームもあるし、お
「
自分自身に言い聞かせるように小声でつぶやいた。
そう、私こと
24歳の私は社会人2年目。そこそこ大きな
そして私の
サービス
あれ?そういえば土日休めたのって、いつだったっけ?私は今、何十
ププー!!
この時間に車のクラクションは大きく響く。
その音で我に返った。
危なかった…。目の前を白いライトバンが走り去る。
ぐるぐると考えを巡らせていたため、うっかり信号が赤なのに車道を横断しかけていたようだ。
「いけない、いけない。」
軽めの
そういえば、大学生の頃友人に勧められて読んだライトノベルにこんなシチュエーションがあったなぁ‥と、ふと思った。
トラックにはねられるのは痛そうで嫌だけど。
「私も…異世界
思わず声に出していた。
誰かに聞かれていたら恥ずかしい!
ああ、もう…こういうの何だっけ…そうだ、
さぁ、この信号を渡れば駅だ。
大丈夫、電車は間に合う。
で…んしゃ…は…えっ!?
突然のことに私は
景色がぐにゃりと
私はお
中学生の時は生徒集会で
その時の感覚によく似ている。
やばい。これはやばい。
もしかして
後頭部の先から頭の中身を引っ張られるような気持ちの悪い感覚。そして私の意識は
5分なのか1時間なのか、
どうやら立ったまま意識を失ったらしい。
ホッとした次の瞬間、私はギョッ!とした。
――私が、いる・・・?
そう、私が目の前にいるのだ。それもアスファルトの上に横たわって。
突然のことに頭が混乱する。
「私が?え?でも私はここに?じゃあ、
混乱が収まらない。
「ちょっと!大丈夫ですか!?」
私と同じくらいの年齢だろうか。
リクルートスーツをそのまま着ているところを見ると、どこかの会社の新入社員さんかもしれない。
「あ、あの…」
私は恐る恐る女性に声をかけた。…だが反応がない。
「あの!!」
今度は普段出さないような大きな声を出して呼びかける。だが、これも反応がなかった。
女性は倒れている方の私の肩をゆすっている。
そして、
あ、呼吸しているか
女性の顔を覗き込もうとした次の瞬間、彼女はおもむろに立ち上がった。
いけない!
このままだとぶつかる!
「え!?」
目を閉じて
「そ…そんな!?」
私は生まれて初めて
いや、もしかして
じゃなくて!
落ち着け、私。
これっていわゆる、よくあるアレだよね…?
死んじゃって肉体から
「ないわぁ!」
こんなベタな展開ないわぁ!
夢なら冷めて欲しい。
だって、高校生は勉強に明け暮れて、大学生は
私はまだ人生を楽しんだという記憶がない。こ、こ、恋人だって。まぁこれは、私に会う相手がいな…。
いやいやいや、そうじゃなくって!
あぁ…今進めているプロジェクトはどうなるんだろう…
プレゼンの資料、
みんな悲しむかな…。ううん、それはないなぁ。きっと「この大事な時に死にやがって」とか、「あの
天国ではパパとママに会えるかな…
会えたらいいな…
あれ?今の
色々な思いが生まれては消えていく。
いつの間にか私は駅前の街から、白くて何もない世界に移動していた。
――やぁ。
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