ツンデレなのに俺の嫁が可愛すぎる。
如月和人@絶賛受験勉強中
第1話
クラスメートと結婚した。
それも学校一苦手なギャル系女子とである。
髪は赤に染めてるしピアスだって開けている。
陰キャの俺からしたらそれだけでヤンキーだ。
その女は学校で俺を見かけると、つかつかと歩いてきてこう言う
「私と結婚したこと、クラスのみんなに言ったら許さないからね!」と、俺のネクタイを引っ張りながら言う。
入学当初から何かと突っかかってくるので、できれば関わりたくなかったのだが。
会えば毎回脅してくるので3回目ほど以降は俺も「ハイハイ、分かってるよ」と、流していた。
あれは、一瞬間程前、俺とその結婚相手の霞静は、地元の道場に呼び出して俺のじいちゃんと霞のおばあちゃんらしき人がいて、
急に「結婚しなさい」と言われたら、まぁそりゃ、えーーーー!って叫ぶよな。
何でも、俺のじいちゃんとコイツのばあちゃんは、初恋同士だったらしく、コイツのばあちゃんが子供が産まれにくい体だと知ると、俺のじいちゃんのお父さんが激おこりして、結婚を許さなかったんだと。
正直大迷惑だ。
結婚しないと、俺を家から追い出すとか言ってきたから渋々従った。
それからは、大変だった。
新築に行かされ、霞さんと共同生活しろとか言われるし、家に俺達を届けたらすぐに帰っちゃうし荷造りほどくなりなんなりですごく大変だった。
新築に着くと、いきなり霞さんは、「二人で暮らすの?」と、顔を赤面させて言った。
それもかなり嫌な表情で。
犬猿の仲の二人暮らしがうまくいくはずもなく、洗い物が満タンになるたびに「どうして洗い物たまってるの?昨日はあんたの番でしょ!」と、毎回怒ってくるので、さすがに毎日イライラしていた。
ごはん食べるときでもおいしいっていわなかったら、「じゃあ食べるな!」とかいってくるし、俺から見たあいつへの第一印象は(嫌な奴)だった。
その日の夜、ベッドが一つしかなく、床で寝たら風邪を引くとのことで、二人で話し合いベッドで二人ともねることにした。
俺の指が静の背中にふれてしまった。
すると、あいつはすかさず俺の指を掴み、「体にさわったわね!指を折るわ」と言い、本気で指を折ろうとする。
「狭いんだから、仕方ないだろ!」
その日は何とか寝付けたが、毎日が戦場で、1ヶ月もしないうちに俺達はボロボロ離婚寸前の家庭のようだ。
「こ、このままじゃ離婚よ……それは困るわ」
同感だ。俺も困る
マジでヤバイ……。死にそう……。
静のせいで体のいたるところが痛い……。
このままじゃ俺はヤバイと思い、一つ提案してみることにした。
「どうせ一緒にいなきゃならないなら快適にすごせるようにした方がいいな……」
「同感よ。どうするの?」
「お互いがストレスを溜めない為にルールを作ろう」
俺の提案に静は、断ることもなく、こくりとうなずく。
「まずは、家事の順番ね。私ばっかりしてる気がするわ」
確かに……。これは俺も認めざるを得ない。
実際結婚してから4回ぐらいしかしてない。
だが。俺の考えは違う。
「俺は量が溜まったらまとめてやろうとしてるんだ。」と、キッパリ言った。
その俺の発言に静は、声を大にして、机をボンと叩き、「溜めたら虫がわくでしょ!面倒でも毎日やるの!」
そうか。女は虫が嫌いだからな。わからんでもない。
「わ、分かりました。」と、渋々了承。
「他にあんたから言いたいことはある?」と、静が問いかけてくる。
言いたいことならやまほどあるわ!でもまぁ最初はこれだ。
「他には……何かで読んだんだが、お互いの気持ちを考えて行動することで、人間関係は、うまくいくらしい。」
「感謝の気持ちを持つってこと?」
「まぁ、そんな感じだな。」
静は、ふむふむと、理解したようだ。
「じゃ、じゃあ、私の料理を食べたら、『おいしい』って言いなさい」
ぐっ!可愛い!キュンと来る。
「普通の味でも?」と聞くと、また静が声を大にして立ち上がり「普通の味でも!」と、言った。
おっと、余りの可愛さに忘れるところだった。まだ言いたいことあったんだ。
「それと、体に触れてしまうくらい我慢してくれ。寝られないだろ。実際同棲1日目寝付けたの太陽が昇始めたころだったろ?」
そう言うと、静は、驚き顔を真っ赤にして
「セクハラ行為を許せってこと?この変態!」
なっ!指一本触れるぐらいで何がセクハラだ!生憎俺はお前のこと大嫌いなんですよ!
「夫婦にセクハラなんかあるか!ベッドも狭いんだから、仕方ないだろ!」そう俺がちょっと強気で言うと、静は
「うぅっ……分かったわよ」と納得してなさそうだが、了承してくれた。
良かった殴られると思った。
それが俺達が同棲してから一番リラックスした時だった。
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