第二幕

第一話 重像~幾度も繰り返す~

 ◆◆◆


「赤い花が舞い散る世界で『君』と『僕』は銀風の中で『泣いた』」


 黒い闇の中、少年とも少女とも区別のつかない子供が1人で歌っている。

 時よりこの子の声は不思議な事に、同じ声が2重に重なる。



「いつしか『私』は壊れた...だから『僕』は存在する」







 ◆◆◆


 夢みたいな君を現実みたいな僕が壊した


 儚い夢の君は僕をつくる


 僕は現実みたいな世界で君の身代わりをするんだ



 君は壊れる前に僕に言った。


 自分もまた失敗から作られていると...


 夢みたいな私を見ないふりをした。




 僕は何人目の君の身代わりなんだろう


 僕はいつまで君みたいに壊れずにいられるだろうか...



 広い広い部屋の中。たくさんの君が天をあおぎ、泣いている。


 僕もいつかはこうなるのだろう。



「僕は君の代わりだよ。今度は僕が無限の世界を廻る」





 これはいつかの、が代わる瞬間。

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