第十一話 重像~幾度も繰り返す~
◆◆◆
「赤い花が舞い散る世界で『君』と『僕』は銀風の中で『泣いた』」
黒い闇の中、少年とも少女とも区別のつかない子供が1人で歌っている。
時よりこの子の声は不思議な事に、音域の違う同じ声が重なる。
「いつしか『私』は壊れた…だから『僕』は存在する」
◆◆◆
夢みたいな君を現実みたいな僕が壊した
儚い夢の君は僕をつくる
僕は現実みたいな世界で君の身代わりをするんだ
君は壊れる前に僕に言った。
自分もまた失敗から作られていると…
夢みたいな私を見ないふりをした。
僕は何人目の君の身代わりなんだろう
僕はいつまで君みたいに壊れずにいられるだろうか…
広い広い部屋の中。たくさんの君が天をあおぎ、泣いている。
僕もいつかはこうなるのだろう。
「僕は君の代わりだよ。今度は僕が無限の世界を廻る」
これはいつかの、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます