第三話 心~壊れかけた魂~

 ここは、無限に存在する世界と世界の廻間。




 暗闇の中、銀狼がオオカミの姿でルキを守るように寄り添っている。



「限界か?ルキ...」



 銀狼の声に反応を示すことは無く、ルキの黒い瞳は何もとらえていない。



「……………」



 銀狼は、ガルルと吠えて哀しそうな瞳をルキに向ける。



「まだ、大丈夫...」



 ルキの黒い瞳に意志が再び灯る。



「クッ...その瞳だ...」



 銀狼は、ギラっと牙を見せて笑った。

 ルキは立ち上がり、廻間に亀裂を入れると銀狼を振り返らずに“世界”へと侵入して行った。



(私はまだ...世界をかえる方法を知らない・・・)







「まだ楽しめそうだ、青龍...」


 ルキが亀裂を入れた廻間を見つめながら、銀狼は言った。

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