第742話「機体回収」

 アップデートセンターのガラス管の中で復活した俺たちは、ひとまず〈黒猪の牙島〉にある橋の袂まで戻り、そこで作戦会議を開いた。


「り、理不尽です……」

「流石は最前線だねぇ」


 装備もスキンも失い、黄色い予備機体となった俺たち三人。まさか全員が一撃でやられてしまうとは思わなかった。

 これでは森の奥に倒れている機体を運んでくることもできず、回収に赴く必要がある。しかし、予備機体に戦闘能力や防御力は無いに等しい。


「どうします? 回収屋サルベージャーに依頼します?」


 危険なフィールドで死亡し、機体の回収が難しい場合には三つの手段がある。一つは危険を覚悟で自力回収を試みること。二つめはアップデートセンターの機体回収ドローンを使うこと。三つめは回収屋サルベージャー、回収業者と呼ばれる専門のプレイヤーに機体の運搬を依頼することだ。

 一つめは何度も死に戻る可能性が高く、時間が掛かる。二つめは回収の費用としてスキルレベルが吸われる。三つめは回収の費用としてビットを支払わねばならない。


「時間と、スキルレベルと、ビットのどれを支払うかだな」

「スキルレベルはキツいよねぇ」


 整理してみれば、支払うべきコストで選ぶことになる。ラクトは腕を組み、二つめの方法に対して難色を示した。

 俺たちは最前線に来れるだけあって、スキルレベルは高いものだと85レベルになっている。ここまでくると、1レベル上げるだけでもかなりの労力を払うことになり、それを取られるのはとても辛い。


「ですが、回収屋サルベージャーも難しいのでは? ここだとかなりの額になりそうですし、そもそも引き受けてくれる方がいらっしゃるかどうか……」


 三つめ、回収屋サルベージャーに依頼するというのも問題が付きまとう。最前線のフィールドということは、回収屋にとっても仕事の難易度が高い場所だ。当然、支払う費用は高くなる。そもそも、最前線で回収ができるプレイヤーが少ないということもあった。

 〈奇竜の霧森〉程度までなら『機体回収』というテクニックの使用に必要なプロテクトリリースキーというアイテムの値段――500ビットだったはずだ――と数百ビットの手間賃、合わせて1,000ビットに満たない金額で十分だ。しかし〈黒猪の牙島〉ほどであれば一人で100kビット以上。三人合わせると300kビット、つまり30万ビットがとなるだろう。


「流石に300kはキツいな……」

「特にレッジさんはそうですよね」


 レティの言葉がちくりと胸に刺さるが、事実なので仕方が無い。さっき別荘から出かける時も、カミルに新しい防爆遮断隔壁扉の注文を頼まれていたのだ。


「となると、自力回収しかないよね」

「そうだよなぁ」

「そうですねぇ……」


 ラクトが結論を出し、俺とレティも項垂れながら認める。スキルレベルは吸われたくないし、支払う金もない。となれば、自分でやるしかない。


「隠密行動か。ミカゲ先生を呼べば良かったかな」

「わたしたちはそういうの得意じゃないもんね。アーツも使えないし」

「テクニックだって、普段使ってるのはほとんど使えませんよ」


 機体回収時の予備機体では、あらゆる行動が大幅に制限される。BBや“八尺瓊勾玉”はすべて初期値に戻っており、LPも当然未強化時の数値だ。更にアイテム類も使用できない。

 ナノマシンパウダーのような触媒アイテムを使用する行動、つまりアーツの類は全て使用不可。テクニックは初期LPの範囲内なら使えるが、最前線ともなれば弱すぎて実質的には使えない。

 俺たちにできるのは、こそこそと隠れながら機体のある場所まで向かうことだけだ。


「よ、よーし。行きますよ!」


 レティを先頭に据え、真ん中にラクト、最後を俺として一列縦隊で森の中に入る。光を遮る森の中は視界が悪く、落ち葉を踏めば足音を生じる。俺たちはできる限り身を縮めて、目立たないよう祈りながらゆっくりと進む。


「最短距離を突き進んで、一刻も早く回収しましょう」

「そうだな。ルート選択はレティに任せる」


 気合いを入れるレティに声を掛け、応援する。


「今はレティだけが頼りだからな。頑張ってくれよ」

「ま、任せて下さいよ!」


 見つかってはいけない以上、俺たちはレティの索敵能力に頼らざるを得ない。彼女がピンと立てた耳で微かな音を拾い、森の中に潜む猪たちを避けていくのだ。


「そういえば、ラクトの弓は使えるのか?」


 こそこそと森の中を進みながら、前方を歩くラクトの腰に吊られた小さな矢筒を見て疑問に思う。弓や銃は、それぞれ矢弾を消費するタイプの武器だ。アイテムを使用できない予備機体状態でどれほど使えるのだろう。

 ラクトは俺の視線に気がつき、矢筒を撫でながら口を開く。


「最低品質の“ベーシックアロー”は無限に使えるよ。この矢筒が“粒子変換物質生成機”だとかなんとかで」

「なんだ、そのハイテクな機械は」

「空気中の粒子を集めて、矢に換えてくれるんだよ。たしか、銃器にも同じようなマガジンがあったはずだよ。どっちも本当に最低限の威力しかないけど」

「へぇ。一応なんとかなるようにはなってるんだなぁ」


 そんな便利な機械があるなら苦労してアイテムを集める必要もないと思うのだが、そう上手くは行かないのだろう。変換効率が悪いか、粗悪なものしかできないか、そんなところか。

 とにかく、素振りならば俺とレティもそれぞれの武器を使える。原生生物の襲撃に遭ったとしても、一人が囮になれば二人は逃げられるかもしれない。


「二人とも、静かに!」


 突然、レティが屈んでこちらに指を突き出してくる。俺とラクトは口を噤み、動きも止める。

 レティは耳を立て、周囲の様子を窺う。そうして、ゆっくりと草むらの陰へと移り、俺たちもそこへ来るよう促した。


「……」


 彼女は押し黙ったまま、手で一方を指し示す。俺とラクトがそっとそちらを窺うと、遠くの木々の隙間から、黒鎧猪がのそのそと歩いているのが見えた。


「……」


 俺たちはレティに、その姿を認めたことを知らせる。彼女は頷き、ここで待機すると身振りで示した。

 ラクトが万全の状態であれば、黒鎧猪一匹程度は鎧袖一触の存在だ。しかし、予備機体の状態ではそうもいかない。

 あちらは圧倒的な強者であり、見つかれば抵抗もできずに死に、またアップデートセンターに逆戻りだ。

 俺たちは息を潜め、黒鎧猪がどこかへ離れていくのをじっと待つ。猪は鼻で腐葉土を掘り返し、フガフガと何かを探しながらゆっくりと歩いている。予備機体の黄色いペイントが恨めしいが、俺たちにできるのはできるだけ動かずにいることだけだ。


「……」

「ッ!」


 重苦しい時間が続く。極度の緊張からか、ラクトが俺の服をぎゅっと掴んできた。少し驚いたが、彼女が微かに震えているのを見て、そっとその背中を撫でてやる。

 ラクトの震えが落ち着いた頃、黒鎧猪も満足したのか、森の奥へと去って行く。戦闘時の突進が信じられないほど、ゆっくりとした動きだった。


「ふぅ。肝が冷えましたね」


 丸い影が暗がりへと消えていき、その足音も聞こえなくなったのを確認して、レティが肩の力を抜く。彼女は額の汗を拭い、安堵の表情を浮かべてこちらへ振り返った。


「ぬああっ!?」

「レティ!?」


 こちらを見た瞬間、それまで息を潜めていたレティが立ち上がって声を上げる。突飛な行動に俺とラクトが目を丸くする中、彼女はわなわなと肩を震わせて俺たちを睥睨する。


「……ふむ」


 そのまま叫び出しそうなレティだったが、口を閉じ何やら真剣な表情で考え込む。そうして、おもむろに俺の腕を抱えるように掴んだ。


「れ、レティさん?」

「レティも怖くて震えそうです。レッジさん助けて下さい」

「ええ……」


 あまりにも平坦な声だった。

 どう考えても嘘だが、それを指摘すると今度こそ叫ばれかねない。そうなれば、再びアップデートセンターだ。


「あの、とりあえず腕を離して――」

「怖くて足が竦んでしまいます。レッジさんに支えて貰えないと歩けません」

「白々しい……!」


 すんと澄ましたレティの言葉に、ラクトが唖然として言葉を零す。そういうラクトも俺の腕を掴んだままなのだが。

 両腕を二人に掴まれ、動けない。両手に花と言えば聞こえはいいが、実際は捕らえられた宇宙人である。


「本当にこのまま進むのか?」

「はい。慎重に、ゆっくり、時間を掛けて進みましょう」

「さっきと言ってることが違うじゃん」


 二人を腕にしがみつかせたまま、俺は森の中を進む。幸い、先ほどのレティの声で原生生物が気付いた様子はなく、少しずつではあるが順調に目的地へ近づいていた。


「ぬふふ。たまにはこういうのもいいですねぇ」

「レティ、今機体回収に向かってるって忘れてない?」


 数分前の緊張感はどこへやら。二人とも小声ではあるが言葉を交わしている。その間にいる俺は周囲の状況把握に必死だ。

 特にこの森に棲む原生生物は移動が素早い。気付かれた瞬間に終わってしまう。


「レティ、ラクト。見つけたぞ!」


 そうして更に歩くこと10分ほど。俺はようやく、俺が倒れている場所を見つけた。自分の姿を客観的に見るのは妙な気分だが、近くにはレティとラクトの機体も転がっている。


「これ、回収しても一旦戻る必要があるな……」


 俺たちの機体は、どれも牙槍大猪の一撃で無残に壊れている。回収しても十全には動けず、アップデートセンターでの修理を要するだろう。


「ともかく、回収しちゃおう」

「ラクト!」


 機体に向かって歩き出したラクトを、レティが腕を掴んで引き戻す。次の瞬間、黒い巨影が彼女の鼻先を掠めた。


「ぬわああっ!?」


 ギリギリの所で助けられたラクトが悲鳴を上げる。

 俺とレティは彼女を守るように前に出て、それぞれの武器を構えた。森の奥でこちらに向き直るのは、赤い双眸の大猪――牙槍大猪だ。


「まだ居たのか!」

「執念深い奴ですね……」

「どっどっどっ」


 互いに睨み合いながら、いつでも動けるように身構える。背後でラクトが言葉にならない声を上げていた。


「ふ、二人とも逃げようよ! 一旦立て直さないと!」

「これだけ時間が経ってもまだいるってことは、それも難しい。俺がどうにか注意を引きつけるから、ラクトはその間に機体回収してくれ」

「レティもレッジさんと一緒に!」

「二人とも!?」


 ラクトが悲鳴を上げるが、それが最善策だ。

 俺とレティは、タイプ-フェアリーのラクトと比べて多少は頑丈にできている。それに、武器の素振りでも少しは戦える。俺たちが時間を稼いでいる間に、ラクトが機体の回収を終えれば、こちらの勝ちだ。


「む、無理だよ! わたし、〈回収〉スキルなんて持ってないし……」


 機体回収に掛かる時間は、スキルなしでおよそ1分間。戦闘中は気が遠くなるほど長い時間だが、逆に言えばそれだけ持ち堪えればいい。


「無理かどうかは、レティたち次第です。ラクト、早く!」


 レティが大槌を振り上げながら言う。

 ラクトは一瞬蹈鞴を踏んでいたが、直後に覚悟を決めて走り出す。牙槍大猪が彼女に狙いを向けるが、その前にレティが飛び出した。


「アナタの相手はレティですよ!」

「俺も忘れるなよ!」


 大猪に接近し、槍を突き出す。テクニックは事実上使えないため、ただの素振りだ。それでも、目を狙った刺突は相手を怒らせるに足る。

 猪が荒々しく鼻息を吹き出し、こちらへ迫る。相変わらず馬鹿げた速度だが、最高速ではない。


「受身を――」


 アストラやトーカに習ったことを思い出す。相手の動きを見て、流れを掴む。そして、衝撃を受け流せば、ダメージは伝わらない。


「ひょう! レッジさん、凄いですね!」

「二人には感謝しないとな!」


 もともと防御力が無きに等しい俺に求められる戦闘中の立ち回りは、予備機体の時でもそう変わらない。俺は牙槍大猪の動きを注視しつつ、その攻撃を一手に引き受ける。


「レティも頑張らないとですね!」


 ターゲットから外れたレティが、隙を見て鎚を振るう。硬い鮫頭が大猪の額を叩き、頭蓋を揺らす。タフではあるが、少しずつ気絶値が蓄積しているはずだ。


「倒さなくても良い。ラクトが復活できるだけの時間を稼ぐぞ!」

「はいっ!」


 求められているのは勝利ではない。戦いが拮抗していれば、それでいい。

 視界の端で捉えたラクトは、機体の側に膝をついて時間を待っている。彼女の目の前には、ゆっくりと進行するプログレスバーが表示されているはずだ。

 あれが全て青に染まるまで、俺たちは持ち堪えれば良い。


「ふぉりゃあああっ!」


 テクニックが無くとも、技はある。装備はなくとも、動きは身体が覚えている。

 レティは軽やかに跳躍し、木々を足場にして三次元的な機動を見せる。彼女が大槌の打撃を放てるように、俺は大猪を翻弄して隙を作らせる。


「レティ!」

「いきますっ!」


 名前を呼ぶまでもない。彼女は俺の動きを予測して、猪がやってくる場所に向けてハンマーを振り下ろしていた。

 あたかも、猪が自ら殴られに向かっているかのような、不思議な光景だ。


「うおっと!」


 暴れ回る大猪の鋭い牙を、手で押さえながら身を翻して避ける。レティの動きに見とれている場合ではない。掠りでもすれば即死の危機的な状況には変わりないのだ。


「そらっ! 痛いか?」


 レティに敵愾心ヘイトが向かないように、俺も攻撃できる時には槍を突き出す。狙うのは目だ。柔らかい場所でなければ、碌にダメージが入らない。目に的中しても、微々たるものなのだ。


「よしよし、慣れてきましたよ!」


 戦っているうちに相手の行動や間合いが理解できるようになる。レティは常人を遙かに超える凄まじい速度――開戦から10秒と掛からずに感覚を掴んだようだった。彼女の動きが更に洗練され、最適化されていく。


「全く、羨ましいな」


 レティの強さは、その天性の勘にある。

 彼女自身理解しているわけではなく、理論的に説明できるものでもない。感覚的に戦況や敵を把握し、本能的に自分がどう動くべきか導き出す。半自動の戦闘能力。

 徐々に天秤が傾いていく。


「ぬわはははっ! 目を回して倒れてなさい!」


 レティは高い声で笑いながら、牙槍大猪を翻弄する。彼ももはや出し惜しみなどせず、最高速度の突進を繰り返していた。それでも、レティを捉えることができていない。

 一方的に攻撃を受け続け、体力が8割を切ろうとしていた。

 その時、偶然――紛れもない偶然だったが、俺は視界の端にそれを捉えた。


「レティ!」

「ぬゅぺっ!?」


 咄嗟にレティの腕を引き、胸の前に抱き寄せる。

 彼女が1秒前まで居た場所に、突風が吹いた。


「な、何事!?」

「増援だな。敵側の」


 それは木々をなぎ倒し、ようやく止まる。

 こちらへ振り返った顔には赤く燃える双眸。そして、槍のような太い牙。


「に、二匹目!?」


 レティが悲鳴を上げる。

 傷の付いた一頭だけではなかった。全身に傷一つなく、激しい戦意を燃え上げる巨大な猪がいた。

 同胞がやってきたことで、翻弄されていた方も表情に余裕が戻る。戦況は二対二となった。戦力は拮抗から外れ、天秤は再び傾いた。


「これは、やばいのでは?」

「ちょっと厳しいなぁ」


 俺もレティも、一人で一頭を抱え込めない。完全体の時はともかく、予備機体では絶望的だ。

 そのことを向こうも察しているのか、悠然とした態度で蹄で地面を削っている。


「……レティ」


 俺は周囲を見渡す。二頭の突進が来た場合、彼女を安全な場所へ押し出せるように、ゆっくりと位置を調整する。

 牙槍大猪の突進は強力だが、一定の距離を走り抜けないと止まらない。その間に全力で逃走すれば、逃げ切れる可能性もないわけでは――。


「戦いますよ、レッジさん」


 しかし、彼女はそう言った。

 彼女の赤い瞳は諦めていない。手に鎚を握り、いつでも前に飛び出せるように足を曲げている。


「……分かった」


 それを見て、俺も思いとどまる。

 ここまできたら、最後まで戦い抜く。そう決めた。


「来るっ!」


 二頭の猪が走り出す。真っ直ぐに、こちらへ向かって。かなり速い。動けるか。動かねば――。


「『凍てつく大地。凍みる肌。押し上げる霜柱。張り付く霞。滲む青き血。吹雪の歌よ称えよ――」


 朗々とした詠唱が響き渡る。

 長い、長い言葉の連なり。

 その間にも、二頭の猪、四本の槍が迫り来る。


「――顕現せよ、漂白の女王。その聖杖で不遜なる背信者の熱き鼓動を貫け』ッ!」


 その切っ先が、俺とレティに至ることはなかった。

 目の前、僅か数センチの隙間を空けて、それは氷像と化していた。腹に大きな穴が穿たれ、その血すらも凍り付いている。

 それだけではない。分厚い牙槍大猪の身体を貫いてなお、その余波は広がっていた。木々を凍らせ、土を抉り、扇状に氷が広がっている。


「ま、間に合ったぁ……」


 広範囲に渡る機術の発生源から、気の抜けた声がする。急いで振り向くと、地面に突っ伏したラクトがいた。彼女の残存LPは、ほとんど見えない。

 レティが慌てて駆け寄り、彼女にLP回復アンプルを砕いた。

 それを見て、俺はようやく安堵する。そして思わず、膝から崩れ落ちた。


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Tips

◇『凍てつく大地。凍みる肌。押し上げる霜柱。張り付く霞。滲む青き血。吹雪の歌よ称えよ。顕現せよ、漂白の女王。その聖杖で不遜なる背信者の熱き鼓動を貫け』

 上級連続長大詠唱大規模多段階完全機術。10種のアーツチップ、3つのアーツセグメントによる上級固有攻性術式。

 第一段階。自身の1メートル前方を起点とした扇状の広範囲に渡って、その内部に存在する生物と環境の全てを瞬間的に凍結させる。第二段階。凍結した対象を貫く巨大な氷槍を生成し、高速で射出する。第三段階。凍結した対象全てを破壊する。

 術式発動後、術者は強制的にLPが1になり、移動ができなくなる。防御力が10%まで低下し、状態異常“凍結”を受ける。

 冬が訪れる。全てが死する、静寂の時代がやってくる。大地は白く染まり、風は凍り付く。白と青と闇の広がる世界で、彼女は万物を慈しむ。彼女の聖杖は、彼女を称える者全てに差し伸べられるだろう。彼女の聖杖は、彼女を害する者全てに差し向けられるだろう。


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