英語もできないノースキルの文系はこれからどうすべきか 著者 大石哲之

今回の本は一週間前に見つけたのだが、題名を見たときまさに自分のことを言われた気がして驚いたのを今でも覚えている。

実は私は文系の学部に進学しているのだが、とても英語はしゃべれないし、これといった資格をもっているわけではない。

そのままダラダラと大学生活を過ごしてしまうことに一抹の不安を感じていた矢先にこのような本に出会えたのはある意味幸運だったと思う。

ただ自分は自他ともに認めるひねくた性格であるゆえ、本一冊でどうこうなる問題ではないんじゃないかと疑っていたし、もしこの本一冊読むだけでどうにかなったらそれはそれで失望することになるのではないかと恐る恐る読み始めた。

表紙をめくるとまずそこには赤文字で「四章と終章がメイン」と書かれた黄色い付箋がはられていました。

今回の本は借りたものでありこの付箋は前の所有者が書いたものなのなのだろうが、過剰かもしれないが同じ本を時を超えて読むということを改めて意識させられ、全く内容とは関係ない所で少し感動した。


この本は九章に章分けされており、量が多そうに思えるがテーマ別にコラム形式であり、一章あたり大体三十ページの分量であることに加え、章の中でも名前付けし細かく内容分けされているので気軽に読める。

それらの題名には気に入ったものが多くあったのでいくつか紹介したいと思う。

「世界的常識では、ノースキル文系学生は無職であたりまえ」、「ゲームを降りる、という人生の選択」、「自分の目標が”憧れ”なのか”本当にやりたいこと”なのかを考える」

なかなかユニークなこれらの題名からもわかるように今回の本では人生設計に関して知られていない事実やその選択肢を提供しており、目標までショートカットする裏技を教えているわけではない。

どうすれば「英語もできないノースキル文系」から抜け出すかその方法論を書いてあり、漠然としか分からない将来に対して遅れを取った状態から何を考えどう行動に移すべきか書いているので最初自分が抱いていた疑念は杞憂だったことが分かる。

ここまであまり具体的に本の内容をかけてなかったので次からは具体的に内容を書いていこうと思う。

ただこの本自体、先述した通り多くの内容に触れているので今回は全体をまとめようとするのではなく、特に自分が興味を持ったとこを挙げていきたい。

一つ目は大企業に入る確率は10パーセント程で、ほとんどの学生の目標である夢は叶うことはないということだ。

これは、主な上場企業の従業員数と日本の会社の従業員数の割合によって出された数字であるので、正確な資料とは言えないかもしれないが一つの指標としては十分に利用できる。

このように10パーセントという数字は非常に少ないものであり、本書ではそのような日本から目線を世界(特にアジア)に向けるということについて多くの章に渡って言及していた。

「日本での就職」ではなく「海外(アジア)での就職」は興味を持ったことの二つ目であるのだが、正直英語が喋れないのに日本で就職するのを目指すのではなく世界で就職するのを目指すことは意味が分からないと思うかもしれない。

しかし、アジアは日本の高度成長期の真っ只中で常に人手が足りないことや海外で一度働くことは日本に転職しようと思ったとき大きな武器になり、さらにはアジアの物価は安いので場合によっては日本にいるよりはるかに贅沢に暮らせることも多あるみたいです。

最後に「この時代を生き延びるための”戦い方”とは?」で述べられていたものごととの戦い方を紹介します。

一つは戦闘力を高める方法。もう一つは戦う場所を変える方法。

一つ目はともかく、もう一つの方は逃げのように思えるかもしれません。

しかし自分がしたいことをするためには、そのことで輝ける=稼げることは現実的に非常に重要なことです。

今回の本はこれからの大学生活をおくるにあたり指針となるであろう一冊であった。

ぜひ文系以外でも職について不安に思っている人すべてに読んでもらいたい。


今回の本

題名 英語もできないノースキルの文系はこれからどうすべきか

著者 大石哲之

出版社 PHP新書












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