前世で嫌われていた人間に好きになられる話(仮)
蒼@連載休止中
第1話
私、いや俺は男でありたかった。
男物の服だとか漫画、スポーツも全部憧れた。でも周りの環境は許さなかった。
なぜなら俺は女だから。
体は女。中身は男。
いわゆる性同一性障がいと言うやつだった。
俺を気持ち悪いって言って周りは認めてくれず、家族も嫌がった。
弟は普通で家族は弟だけの面倒を見て俺の事は何も気にしなかった。
十三参りの時に着物をきて女の格好をした。
その時自覚した。
こんな格好はしたくない。それから1ヶ月後に母にバレて嫌われた。
その後何度言われたろう
「いい?あなたは女の子なのよ。」
と。
中学卒業後、家を追い出され学校では毛嫌いされた。友達もいなかったから勉強ばかりしていた。あとは男性用の雑誌とか洋服とかを見るだけ見ないで終わったり胸の摘出手術とかの詳細を見たりしていた。けれど手術はお金がかかるから断念。あとは自分磨きをした。ただひたすら化粧とか運動とかもしたし、雑誌なんかも読みながら必死に男の子に近付こうとした。
けれど鏡の前でたった自分はショートカットの男装した女の子だ。おまけに胸は大きい。
学校に行くと卑下され、バイト先でも卑下され、自分が生まれてきた理由は何だ、と問い詰めた。
問い詰めても結果は出ない。
生きる価値のない俺はもう必要ない。
耐えられなかったこの人生に幕を下ろした。
そう、自殺だ。
迷惑をかけないように荷物は売るか捨て、余ったお金は寄付されるようにした。遺書もかいた。
自殺に万全な調子で望み死んだはずだった。
はず、だった…
目を覚ました。
いつものアパートの天井じゃない。
どこだよここ。
死んだはずだよな?!
立ち上がってみたが知っている部屋じゃない。部屋を見ていると机の上に置き手紙があり、そこには
゛恵まれなかったあなたにプレゼントです。
あなたの体は男性です。同じ世界ですから不便はないはずです。第二の人生を楽しんでください。゛
とかかれていた。
読み終わった途端急に頭痛が始まり途端に止んだ。
するとこちらの世界での記憶が入って来て自分は河野夏樹(こうのなつき)ということがわかる。家族のことも全てだ。
俺はこの人生に期待しこれからのことに思いを馳せた。
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