熾天使執行【3:0:1】30分程度
嵩祢茅英(かさねちえ)
熾天使執行【3:0:1】30分程度
男3人、不問1人
30分程度
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ミカエル
四大天使の1人、罪の重さを測る。ガブリエルとバディを組んでおり、ガブリエルの
ガブリエル
四大天使の1人、ミカエルとバディを組んでいる。子供っぽい性格で体の半分が機械で出来ている。
ラファエル
四大天使の1人、人々を癒し、孤児などの世話をするための療養所を開き経営している。
ウリエル
四大天使の1人、
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「熾天使執行」
作者:嵩祢茅英(@chie_kasane)
ミカエル:♂:
ガブリエル:不問:
ラファエル:♂:
ウリエル:♂:
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ウリエルN「ここは、ラファエルが経営する
ガブリエル「わぁ〜、人がいっぱいだぁ!」
ミカエル「あまりキョロキョロするな、置いて行くぞ」
ガブリエル「えぇっ、ちょっと待ってよぉ、ミカエルぅ!」
ウリエルN「
ラファエル「…!やぁ!ミカエルにガブリエル!久しぶりだね、いつぶりだろうか…もう数百年と会っていない…!」
ミカエル「ラファエル、
ガブリエル「ラッファッエルー!ぎゅーー!!!」
ウリエルN「ガブリエルが、ラファエルに飛びつく」
ラファエル「わっ!…ふふっ、相変わらずだね、ガブリエル。そちらも元気だったかい?」
ミカエル「あぁ。お前も元気そうで安心した」
ラファエル「でも驚いたよ、いきなり来るなんて。連絡ぐらい
ミカエル「まぁ、こっちも、急ぎの用だったもんでな」
ラファエル「急ぎ?今度は何を
ミカエル「…ウリエルが、暴走しいてる…らしい」
ラファエル「………あぁ、その話か…私の元にも、情報が入ってきているよ」
ミカエル「俺達で何とかする」
ラファエル「君達二人でかい?!相手はウリエルだ…いくら君達二人でも、
ミカエル「あぁ…だからここに来た」
ラファエル「どういうことだ?私は戦えない…」
ミカエル「分かっている。戦いではなく、だ」
ラファエル「………あぁ、
ミカエル「助かる」
ラファエル「それで?肝心のウリエルの居場所は、分かったのかい?」
ミカエル「大体だが、この街から北に当たる
ラファエル「そうか…この土地まで影響を受けなければいいが……なんて、言ってはいけないな。全ての人間は等しく平等であるべきだ」
ミカエル「そうだな」
ガブリエル「ねぇねぇ、ボクも話に入れてよ!なんで仲間外れなの!怒るよ!」
ミカエル「うるせぇ、お前は難しい話分かんねぇンだから、黙ってろ!」
ガブリエル「ひーどーいー!!!」
ラファエル「あはははっ、本当に君達は、相変わらず仲がいい」
ガブリエル「仲良くないっ!ミカエルってば、いっつもいじめるんだもん!!」
ミカエル「お前の材料持って来てやってるだろうが!」
ガブリエル「ガラクタばっか持って来るくせに!ボクはボクの体くらい、自分で直せるの!体の半分を機械にしたのは、その方が都合がいいからだし!」
ミカエル「はいはい、そういう事にしておいてやる」
ガブリエル「しておいてやる、って何?!ほんっとミカエルって、ボクを怒らせる天才だよね!!!」
ミカエル「天才ですまんな」
ガブリエル「褒めてないッ!!」
ウリエルN「ミカエルとガブリエルが話していると、部屋の奥からラファエルが木箱を持ってきた」
ラファエル「ミカエル、これ…」
ガブリエル「わ…!すっごくきれい!」
ウリエルN「木箱の中には薄いガラスのようなカプセルが2、30個ほど入っており、光が乱反射して虹色に輝いていた」
ミカエル「悪いな…助かる」
ガブリエル「これでウリエル、なんとかなる?」
ミカエル「まぁ、説得でなんとかなれば一番なんだが…一応な。お前もちゃんと準備しとけよ」
ガブリエル「分かってるよ!ボクはいつでも準備万端!!」
ラファエル「あの…私も、一緒に…」
ミカエル「俺達二人で大丈夫だ…ここにはお前を必要としている人間が沢山いる。だろ?」
ラファエル「…すまない。では、せめて君達へ、私からの加護を…」
ウリエルN「ラファエルが
ミカエル「ありがとう…では、行ってくる」
ガブリエル「じゃーねー!ラファエル!ちゃんと、戻ってくるからねー!!」
ラファエル「あぁ!必ず!!君達が帰ってくるのを、待っているよ!!」
(間)
ラファエルN「酷く荒れた土地に、一つの小屋がポツンと建っている。外には一人の男が
ガブリエル「やぁーーーっと見つけたぁ!!!」
ミカエル「ウリエル…お前、随分と堕ちたな…」
ウリエル「その声は…」
ラファエルN「声をかけられた男が、振り返る」
ウリエル「やぁ、久々だねぇ!ミカエルにガブリエル!
見たまえ!これが『神による制裁』だよ…!!」
ガブリエル「うぇっ、なにアレ!全部人間?!すごい山になってるよ…!?」
ミカエル「ウリエル…お前がここ150年ほど、
ウリエル「…私は、私の正義を執行しているんだよ」
ガブリエル「この惨状の、どこが正義ぃ?頭、イッちゃってるとしか、思えないけどぉ!?」
ウリエル「…この人間共は『悪』…つまり、こいつらは『害悪』だ!…『悪』の末路は地獄だろう?『悪』にはぴったりの光景だ…!!」
ミカエル「ウリエル…どうしてこうなった?
こんなものは正義なんかじゃあない。ただの
ウリエル「…誰に向かって…そんなことを言ってるのかなぁ…身の程を知りなよ…」
ミカエル「…何を言っても、もうお前には届かないんだな…」
ウリエル「私は神の代わりに手を下しているんだよ。分かっていないのは君達の方さ」
ガブリエル「ありゃりゃ、全然聞く耳ないみたいだ」
ミカエル「…こうなっちまったら仕方ねぇ…神に代わり、お前を排除する!」
ウリエル「排除?!この私を?!
あっははははははは!!!とんだおバカさん達だねぇ!!!」
ミカエル「ガブリエル!起動!」
ラファエルN「ガブリエルから、機械の起動音が発せられる」
ミカエル「マリオネットは…」
ガブリエル「笑わない」
ミカエル「マリオネットは…」
ガブリエル「喋らない」
ミカエル「マリオネットは…」
ガブリエル「操り人形」
ミカエル「だが…この、マリオネットは…」
ガブリエル「違うんだよなァァァ!!アッハハハハハ!!!」
ラファエルN「笑い声と同時にガブリエルが駆け出す。その速さは飛ぶ鳥の
ウリエル「おいおい、とんだピエロだな!狂っているのはそっちの方だろう!!」
ラファエルN「
ガブリエル「なーに言っちゃってんのかなぁ!ウリエル、頭、おかしくなってンぞッ!!」
ラファエルN「ガブリエルの持っている杖型の銃から、ウリエルに向けて銃弾が放たれる」
ミカエル「だから俺達が止めに来たンだ!…手遅れのようだがな…ッ!」
ラファエルN「剣を手にしたミカエルが斬りかかるが、すんでのところで
ウリエル「ふふふっ…あははっ…
あっははははははははははははは!!!!!!!!!
君達が!!たった二人で!!私に勝つ気かい?!
…それこそ…頭が、どうかしている…!!」
ガブリエル「ちょっとォー、よそ見、しすぎじゃなぁーーーい?」
ラファエルN「ウリエルの背後に回り銃を放つが、身を
ウリエル「ガブリエル!君の攻撃など、お見通しだよ!!!」
ミカエル「これでもお前と並ぶ
ラファエルN「ミカエルとウリエルの剣が
ウリエル「ミカエル、さすがキミの剣
ガブリエル「ボクも
ラファエルN「ガブリエルの銃が乱射され、その弾がミカエルの腕を
ミカエル「ちょ!バカヤロウ!!
ガブリエル「えーーーッ!そんなの自分で
ウリエル「どうしたんだい?仲間割れかい?
ラファエルN「笑いながら、呪文を口ずさむウリエル」
ミカエル「なっ…!砂が巻き起こって壁に!!」
ガブリエル「銃ならカンケーないもんねぇっ!!」
ラファエルN「ガブリエルの銃口がウリエルに向けられる」
ウリエル「果たして、そうかな?!」
ミカエル「壁が厚くなってきてやがる!これじゃあ攻撃できねぇぞ!!」
ガブリエル「ボクに任せてッ!!砂の量には限界がある、この壁の高さならッ!飛んでいけるッ!!」
ラファエルN「ガブリエルが空を飛び、ウリエル目掛けて放った銃弾が肩に当たる。すると、砂の壁がザァァっと崩れていく」
ウリエル「…グッ!!!」
ミカエル「よくやった!ガブリエル!」
ガブリエル「帰ったら砂糖菓子!ね!」
ミカエル「ちっ!仕方ねぇ、いくらでも買ってやる!」
ガブリエル「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」
ラファエルN「空中を回転しながら銃を乱射するガブリエル」
ミカエル「ふんっ!!!」
ラファエルN「
ウリエル「さすがだね、お二人さん…しかし本来なら、私相手にここまで戦えなかったはずだ……もしや…ラファエルかい?」
ミカエル「ご名答!ラファエルの小型携帯シールドだ!それも、本人
ウリエル「成程…道理で
ラファエルN「ウリエルとミカエルが再び剣を
ミカエル「お前の能力は驚異的だが、それは人間に対してのもの!俺達二人でなら、勝機はある!」
ラファエルN「ミカエルが放った言葉に、ウリエルの動きが止まる。辺りに
ウリエル「……
ミカエル「その言葉…そのまま返すぜ」
ガブリエル「ウリエルったら、神にでもなったつもり?!」
ウリエル「…神?!…神だと?!神は!!私に使命をくださった!!悪を許すな!!悪を滅ぼせと!!!」
ミカエル「だがお前の行いを、神はお望みになられてはいない!!人間を殺す事が楽しくなっちまったか?!ええッ?!」
ウリエル「…神を…
ミカエル「
ウリエル「違う!違う!!これは神のお導き!神のご意志!!それが何故!!理解できない!!!」
ガブリエル「うわっ!すごい砂嵐…!!」
ラファエルN「ウリエルの怒りと共に砂が舞い、視界が悪くなる」
ミカエル「…お前はいつだって、他の誰よりも神を愛していた…だがその愛は今!歪んでしまっている!!目を覚ませ!!ウリエル!!」
ウリエル「うるさい、うるさい、うるさい!!!私を否定すると言う事は、神を否定すると言う事!!!君達にも地獄の
ラファエルN「
ガブリエル「うわっ!これじゃあ前が見えない上に、下手に動けないよッ!?」
ミカエル「…神よ…貴方のお力を、お貸しください…うぉぉぉぉぉぉ!!!」
ラファエルN「ミカエルが剣を振り下ろすと、そこにはウリエルの姿があった」
ウリエル「?!なっ…!!!」
ガブリエル「ミカエルッ?!…砂嵐が収まっていく…どうやってウリエルの場所が分かったの?!」
ミカエル「…たまたまさ。俺はただ、想いを剣に乗せて振った。全ては、神のお導き…」
ウリエル「ぐはっ!!(血を吐く)」
ガブリエル「ウリエル!」
ウリエル「……私は…神の
ガブリエル「ウリエルッ!ウリエルッ?!」
(間)
ラファエル「…!ミカエル!ガブリエル!」
ミカエル「はぁ…はぁ…」
ウリエルN「今にも息が絶えそうなウリエルを、ミカエルが
ガブリエルがラファエルの元へ走り寄る」
ガブリエル「ラファエル!ウリエルを看てあげて!!」
ラファエル「…!鼓動がとても弱々しい…大丈夫、今、救うよ…」
ミカエル「あぁっ!クソッ、疲れた!!」
ウリエルN「そう言うと、ミカエルはその場に倒れ込んだ」
ガブリエル「お疲れ様、ミカエル」
ラファエル「ミカエル、少し待っててくれ…ウリエルを癒したら、すぐに…」
ミカエル「…俺なら大丈夫だ…お前も力を使うだろう。今はウリエルに集中してやってくれ…」
ラファエル「…あぁ、分かった…神よ、どうか、我が同志をお救いください…貴方のお力で、どうか我が同志に、生きる力をお与えください…神よ…」
ウリエル「…うっ…、…ラ、ファエ、ル…?」
ラファエル「ウリエル!…大丈夫だ。君は、神に生きることを許された…」
ウリエル「…そうか…ここは…私は…」
ガブリエル「ウリエルの意識が戻った!」
ウリエル「…ガブリエルに、ミカエル…私など、あのまま、放ってくれて、良かったと言うのに…」
ミカエル「…やっと正気を取り戻したか?…お前は不器用なんだよ…神に許されたのなら、今度は守るべき人間のために生きろ。公正さを重んじろ。神への歪んだ愛など捨て、一からやり直す事だな」
ウリエル「…ッ(涙を流して)神よッ、こんな私を許し、生かすとは…次こそ、貴方の、意思に
ガブリエル「…ウリエルは、もう大丈夫だね」
ミカエル「…あぁ。全く、世話が、焼け、る…」
ウリエルN「言葉を言い終えるかどうかの瞬間、ミカエルは意識を失った」
ガブリエル「えっ、ちょっと!ミカエル?!ミカエルー!!」
(間)
ウリエルN「それからミカエルは、ベッドの上で意識を取り戻した。目を覚ますと、ガブリエルがベッドにもたれかかって寝ている。」
(間)
ラファエル「ミカエル!目を覚ましたのかい?!」
ミカエル「…あぁ、世話をかけちまったな」
ラファエル「なに、遠慮などするな」
ミカエル「…ウリエルは?」
ラファエル「今、子供たちの相手をしている。…
ミカエル「そうか…」
ガブリエル「…んっ、ミカエル!起きたのっ?!良かったぁぁ!!」
ミカエル「…心配をかけて、すまなかったな」
ガブリエル「ぐずっ、本当だよぉ!ミカエルのバカァァァァ!!」
ラファエル「キミはあの日、意識を失ってから、
ミカエル「そうだったのか…」
ラファエル「ウリエルの治癒で、私も力を使い過ぎてね…すまない」
ミカエル「お前が謝る事じゃないさ、こうして無事だったんだ。恩に着る」
ラファエル「…それじゃあ私は施設の見回りをしてくる。ガブリエルが、ずっとキミの側から離れずに付いていたんだ。ゆっくり話すといい」
ガブリエル「ふえ?」
ミカエル「ありがとう、ラファエル」
ラファエル「ああ、では、また戻ってくる」
(間)
ミカエル「世話をかけたな、ガブリエル…」
ガブリエル「本当だよ!!!…でも、こうして目を覚ましてくれたんだ。もういいよ」
ミカエル「ずっと付いててくれたんだって?」
ガブリエル「…ッ!それはっ、ほ、他にやることもなかったし!!ミカエルが目を覚ました時に、誰も居なかったら寂しがると思って…!!!」
ミカエル「…ありがとうな」
ガブリエル「…!うんっ!…ふふふっ」
ミカエル「?なんだ?」
ガブリエル「なーんか、ミカエルらしくなーい!あははっ!」
ミカエル「調子に乗るな」
ウリエルN「ガブリエルの
ガブリエル「いてっ!むー、酷いよ!心配したのに!!」
ミカエル「だったら素直にそう言え、バカ」
ガブリエル「あっ、ミカエル…照れてるの?」
ミカエル「照れてない」
ガブリエル「うっふっふー、ミカエルが照れてるー!あははははははっ!!」
ミカエル「はいはい、そういう事にしてやるよ。…はははははっ!」
(間)
ミカエル「…天にまします我らの父よ。
願わくは
みこころの天になるごとく、
地にもなさせたまえ。
我らの
今日も与えたまえ。
我らに罪を犯すものを我らが
我らの罪をも
我らを
悪より救いいだしたまえ。
国と力と栄えとは、
限りなく
アーメン。」
熾天使執行【3:0:1】30分程度 嵩祢茅英(かさねちえ) @chielilly
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