第7話 勇翔が居ない日2
「おいおい、あれまぢかよ...。」
「なんであんな目立たない野郎のとこに...。」
多くの人にヘイトを買っているという、
今俺は恐ろしい状況にある。
目立たぬ陰キャが美少女2人と飯を食ってれば、
皆なんであんなやつなんかに、と思うのは
当たり前だ。
いったいどうしてなのかと言うと
俺は先程、鈴美さんにお昼を一緒に食べようと
誘われた。
勿論俺に断る理由はないので、
すぐにOKしたが、その後に湊さんも
「ご一緒していいですかっ?」とのことだ。
どちらとも約束なんかは別にしてないため、
3人で食べることになったのだ。
どこか人が居ないところでどちらかと2人きりなら
趣味の話で盛り上がれただろうが、
少し気まずい状況にある。
「2人ともお弁当は手作りなの?」
「うん!いつも自分で作ってる!」
「手作りだけれど、美味しいかと
聞かれたら私のは別。」
「少し、食べてみる?」
「え?食べていいの?」
「うん、いいよ。」
「じ、じゃあ自信あるやつどれ?」
「この唐揚げ。」
「じゃあ、それ食べてもいい?」
「うん。」
俺は唐揚げをお箸でつかみ取り
そのまま口へ運ぶ。
「んっ!」
「どう?」
「な、なにこれ・・・美味しい!」
「本当?」
「これはすごいよ!毎日食べたいもん!」
「じゃあ作ってきてあげる。」
「え?本当に?」
「うん。」
「え、でもそんなの悪いよ。」
「いいの、美味しいと言ってもらえたから。」
「じゃあ今度からお昼は一緒に食べていい?」
「うん!」
鈴美さんと話し込んでると、
忘れていたもう1人の彼女が話しかける。
「華斗くんっ!」
「どうしたの?」
「私の作った卵焼き食べてくれない?」
「え?いいの?食べて」
「うん!はい、口開けて!」
「え?うん。」
湊さんはお箸でつかんだ卵焼きを、
そのまま俺の口に入れた。
「お、美味しい!」
「ほんと?あんまり自信無かったから!」
「2人とも料理上手なんだね!」
そう言うと2人は目を合わせて、
ニコリとする。
この2人のニッコリからは謎の威圧のような
なにかを感じるのだが、気のせいだと思おう。
なんやかんやで恐ろしいお昼と授業を終えて、
放課後になる。
「「華斗君一緒に帰らない?」」
おいおい嘘だろ?
勇翔が居ない日はこんなにも忙しいのか。
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