エビローグ

第25話 神と呼ばれる者

「はははっ。そうかいそうかい……」 


 とっても賑やかで、楽しい光景だった。僕が手を横にスライドさせると、今見ていた映像は靄のように消えていく。


「良かったじゃないか」


 凝り固まった――実際は僕にそんなことは起き得ないけど、気分の問題だ――身体をほぐすように両手をう~んと上げて伸びをする。そして辺りを見渡した。


 ――ここは、上も下も前後左右も、見渡す限り全てが真っ白な空間。

 

 ――僕以外には何も存在しない果てなき世界。

 

 ただ、今見ていた地上の光景のせいか、こうばしいスパイスの匂いが漂っている気がした。


「もう<無>に還りたいなんて、思いもしないだろう?」


 かつてこの場所で彼女ソフィアが向けた、涙さえ涸れ果てたその痛ましい瞳は、転生させたあの地で本来の輝きを取り戻していた。もう、しばらくはここに用事もないことだろう。ひと仕事終えて普段なら横になるところだけど、僕は珍しく間を空けずに次の人の子を呼ぶことに決めた。


「何だか少し、気分が良いからね」


 務めを果たし、何度でも問おう。<無>か、<転生>かを。


「でも人の子よ、キミたちが<無>を願うのは早過ぎる――」


 たくさんの理不尽や不条理が世界には溢れているだろう。苦しみや悲しみはとどまることを知らないだろう。しかしそれでも、世界には楽しいことや嬉しいことだってたくさんあるんだ。


「<無>を願うなら、その願いに勝る幸福へとキミたちを導くまでさ」


 キミたちが最期の時まで笑って過ごして、「いい人生だった」と言えるように。


 ここにはきっと笑顔で来れるように。 

 

 ぼくはそれを願っているよ――








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★【カレーなる異世界ライフ!!】第1部はこれにておしまいです!!


 以下、あとがきのようなもの・・・




 読者の皆さまに、まずは感謝を。


 ここまでお付き合いいただきありがとうございます。


 今作は、私のファンタジー好きな一面とカレー好きな一面を掛け合わせて作った物語です。


 そんなこともあり、もしかしたらカレー作りの描写は興味の無い人にとってはくどいものになっていたかもしれませんね。

 

 でもやっぱり私はカレーが大好きだから、どうしても細かく書きたくなるこの気持ちは抑えられません……!!


 これからも、そこは譲れない1つの欠点となってしまうことでしょう。

 

 もし読んでいて、「なんだか本格的なカレーが食べたくなってきたな」と思っていただければそれに勝る喜びはありません!!

 

 ……ちなみにそんな時の手軽な対処法を教えましょう。


 適当なスーパーに行って香辛料を取り扱うGABAN食品会社の<クミンホール>を買って、野菜がいい感じに炒まったタイミングで1摘み投入するのです。


 それだけで、味がエスニックなものに早変わりします(私は別にGABANのまわし者という訳ではありません)。

 

 さて、話が逸れました。


 カレーの話となると一昼夜に渡って話せてしまいますね。よくない。


 本作、【カレーなる異世界ライフ!!】はエピローグを迎えましたが、しかし物語は終わりません。


 第2部もそれほど間を空けずに公開予定です。


 これからも本作に付き合っていただければ幸いです。


 最後に、もしよろしければここまでのご感想をいただきたいです。


 「ここがおもしろかったよ」なんて言っていただけると嬉しさMAXです。


 他にも「ここが良かった」「あそこはダメだった」なんてアドバイスも歓迎です。


 より磨きのかかった楽しい物語にできるように、これからも努力してまいります。




 改めまして、謝辞を。


 本作をここまで読んで下さった方々、1話でも応援をしてくれた方々、そしてご感想という形で励ましを下さった方々。


 そんなみなさま、本当に本当にありがとうございました!!


 願わくば第2部で、また!




                              スーパー野菜人

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