第2話 うわぁーーーーここどこ!?
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船はありえない回転を持って星に落ちていったが、船の緊急不時着機能が自動で作動したため爆発すること無く着地できていた。
「ミュ〜」
いつの間にか2人は気を失って寝室で寝転んでいたようだ。
ハミュは気がつくとヨロヨロと浮かび上がった。物があたったのか体のあちこちが痛かったが気になる程ではない。
大きな揺れと墜落だったにも関わらず無事なのは、数多の宇宙探索士の功績のおかげで船が丈夫で多機能になったからに違いない。
「ミュ?おいらたちどうなったミュ!?」
ハミュはすぐに窓へと飛んでいき、外を見て驚愕する。
遠くにはダイヤモンド型の巨大な岩のようなものがそびえ立っている。何色かもわからない色鮮やかな木々が並ぶ森も見える。
ハミュは記憶の端から端まで思い起こし、目の前の景色と照らし合わせたが、全く心当たりのない景色だった。
瞬時に知らない星に不時着したことを悟り、混乱しながら叫ぶ。
「ミュミュ!!?ここはどこミュ!!!? ココ!大変ミュ!!!起きるミュー!!!」
「・・・う〜ん、ん?あ、ハミュおはよー」
なんとものんきな…そのせいでハミュの混乱はますます高まっていった。
「おはようじゃないミュ!!!!! おいらたち知らない星に不時着したみたいミュ!」
「そっかぁ」
「・・・ミュ?」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「えぇ~~~~~~~~~~~~!?」
「ミュミュ!?」
「え、なんでなんで!? どういうこと!?? 自動操縦だったよね!? なんで落ちたの!? ここはどこ!?? 私は誰!??? あなたも誰!???? うわ〜〜〜〜〜〜ん お父さ〜〜〜〜〜ん」
ココは窓から外を見た後、寝室を動き周り叫んだ。それはおよそ普通の人間ではないかのように混乱していた。
その様子にびっくりしたハミュは、自分の慌てっぷりがなんだかちっぽけに思えた。そのおかげでココのまくしたてが終わる頃には、すっかり冷静さを取り戻せた。
「ココを見てたらなんだか落ち着いたミュ」
「なんで!!!?」
優しく囁いたハミュにココは突っ込む。1人でボケとツッコミを担当しているようだった。
「とにかくミュ! 周りのこの景色は今まで見たことがないミュ。おいらたちは知らない不時着したことは間違いないミュ!」
ハミュは”自分がしっかりするんだ”と思いつつ、現状の確認をしようとしている。
まるでしっかりしている自分をアピールするかのようにも見える。”ミュ”という口癖さえなければしっかり者に感じるのかもしれない。
「とにかくまずは船に異常がないか調べてみるミュ! その後のことは一つ一つやっていくミュ!」
「なんでそんなに冷静なのぉ〜」
ココは半泣きの顔をハミュに向け呟いた。
しかしハミュの言葉に頭の中で反復し、我を取り戻すことが出来たようだ。
「でもそうだね…ハミュの言うとおりだ」
「私もしっかりしなきゃ…船を調べよう!」
「そうだミュ!いつまでもテンパってられないミュ! おいらは外から船が壊れてないか見てくるミュから、ココは中をお願いミュ」
「わかった! まだどんな星かわからないから外は気をつけてね!」
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