街の音色
雨世界
1 綺麗な音が聞こえる。……とても綺麗な音色の音楽が聞こえる。
街の音色
プロローグ
綺麗な音が聞こえる。……とても綺麗な音色の音楽が聞こえる。
本編
……ようやく、会えたね。
僕が街にたどり着いたのは、世界が真っ赤な色に染まる夕方の時間のことだった。
「こんな辺鄙な街に、なにしに来たんだい?」
街の入り口のところで、僕は男にそう話しかけられた。
「……人を探しているんです」
と正直に僕は言った。
「大切な人なのかい?」
男は言った。
「はい。世界で一番大切な人です」と僕は言った。
「そうかい」
と、興味もなさそうな声で男は言った。
僕は男の人に軽く頭を下げてから、ゆっくりと道の上を歩いて、街の中に入っていった。
「見つかるといいな。その大切な人がさ」
男が僕の背中越しにそう言った。
僕が振り返ると、……そこにはもう、先ほどまでそこにいた男の姿はどこにもなかった。
「ありがとう」と僕は言った
それから僕は、また正面を向いて歩き出した。
街の中にはぽつぽつと街灯や家の前にあるランプのぼんやりとしたオレンジ色の灯りが灯り始める時間だった。
僕はオレンジ色に照らされる街の中を歩いて、まずは寝床を確保するために、ホテルを探して、とりあえずあてもなく、街の中を歩いてみることにした。
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