ごみのようなエブリデイパート5

 プロローグが続きます。

 文庫本にしたらまだ5ページしかないので申し訳ございません。




 ホームルームが終わり、香恋ちゃんは出ていく。

 昨日の彼女には妹が詳細を話すだろうし、回答が来ていないものは答えられない。

 午前中の香恋ちゃんの文法千本ノックは死ぬほどきついなということと早良さん相変わらずかわいいよ早良さんと思いながら、昼休みとなる。

 昼休みは早良さんを愛でる図書委員の時間だ。

 カウンターに座りながら本を棚に入れている早良さんを見て今日もかわいいよ早良さんと愛でていると余計な生物2匹がやって来た。

「藤倉くん、三好くんにお弁当を渡した。」

 まともな言語を話せたらしい。

 護衛らしき妹がそばに立っている。

 二見美月の狂信者だから仕方ない。

 お互い姉妹兄妹仲が絶望的に悪いことから俺と美月をトレードしようという冗談が出るほどだ。

「渡した。」

 相手にしても仕方ないので簡潔に答える。

 そもそもお前ストーキングして渡したの見てるだろ。

「なんで三好くんには渡したものを食べていないの。」

 不審者から渡されたものを食べる馬鹿がどこにいるんだ。それにあいつ善人だから昔一回食べてあいつ保健室直行したし。

「知らん。」

 続けて言う。

「食べるのは三好の自由だ。」

 まあ列車のゴミ箱にぶん投げてやったがな。

 あいつ捨てられずに悩んじゃうし、汚れ仕事は俺の仕事だ。

「ふーん。捨てたんじゃないのかな。」

 鋭い。現に昔駅のゴミ箱に渡されたものを投げてばれてるからな。

「知らん。渡したしそのあとは三好が判断したんだ。俺は知らん。」

「取引をしたのに嘘をつくんだ。お母さんとお姉ちゃんに言おうかな。」

 子供か。しかもうちも二見んちも二見美月派だから仕方ない。二見母が妹溺愛するからあいつおかしくなるんだぞ。

 あと姉とくそ仲悪いくせにこういうときだけ姉の名前使うんだな。

「ともかく知らん。三好に聞け。あとすべて俺を窓口にするな。俺はあいつの広報じゃない。」

 もっともだ。お願いだからもう直接やってくれ。

「三好くんとうわさされると恥ずかしいし。」

 もうとうの昔から噂になってるし、中学の同学年4クラスほぼ全員知ってるし、ましてや高校でも学年の5割知っている。

「ともかく知らん。あとここは図書館だ。本を読むスペースだ。」

 そろそろ司書教師や大天使早良さんが切れるので切れる前に注意する。出禁になった後正気になったとき図書館使えなかったら困るかもしれないからな。言語通じないから本を読まないかもしれないが。

「三好くんに渡したお弁当はどこ。なんで食べてくれないの。」

 弁当は車両基地のゴミ箱。有毒かもしれないから食べてくれない。という言葉をおし殺し、

「ともかく知らん。あといい加減に静かにしてくれ。」

 自分と早良さんと害虫2匹と別室にいる司書教師以外、人はいないが静かにするのは図書室のマナーだろ。

「どうしたの、藤倉くん。」

 早良さんが騒ぎを聞き付ける。

 図書委員になってから二見美月が図書室で騒ぐのは何度かあったので、いつものことだろうと思っていたのだが、様子が違うので来たのだろう。

「後で話す。」

「あっ、魔女。」

 二見美月は早良さんを三好を取ろうとする悪魔や魔女だと思っているらしい。お前の方が悪魔だ。

「二見さん、騒ぐのなら出ていってくれる。」

「藤倉くんが三好くんに弁当を渡してくれなかった。」

 あいかわらず訳のわからないことを言っていて、意志疎通ができないことを察した早良さんは俺にこっそりと

「人が来たら外で話すしかないよね。」

 と話す。状況を察したようだ。

「ともかくないものはないし、食べないのは三好の自由だ。これ以上騒ぐのなら出ていけ。」

 命令口調で指示したってこのタイプは話を聞くかわからない。

 騒ぎを聞き付けた司書教師がやって来て二見美月と妹を追い出した。

 早良さんと俺は面倒なことが終わったと思い、図書委員の仕事に戻り、昼休みが終わるまで俺は早良さんを愛でながらカウンター業務と事務処理を行った。

 害虫はいたけど二人きりで楽しかった。

 早良さんかわいいよ早良さん。

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