第49話
「ソードクリエイト――布都御魂剣(ふつみたまのつるぎ)!!」
形成するは雷鳴の真剣。
雷の如く神速に、空間を突き破る光となって俺は突き抜ける。
「おらああああああっ!!」
伸びる雷撃の先は光の女神。
彼女は薄く笑いソレを見えぬ壁によって受け止める。
光の女神。
そうだ。俺たちは今、光の女神と対自している。
神々しくも神聖な黄金色の粒子舞い上がる、大樹のダンジョンにある、さらなる扉の向こう。
真っ白な清潔感漂う女神の空間にて、彼女は俺たちの行く手を阻んでいた。
阻んでいた。
阻んでいたんだ。
美しくもしなやかな長い金の髪は漆黒に染まったかの如く黒と金のマダラ、純白のドレスは鮮血のように赤黒く。放つ光は邪悪な闇に。
闇へと落ちた光の女神が俺たちの行く手を阻んでいた。
「下がりなさい!!」
言われ、見えぬ壁にイカヅチを突き立てる俺は、ミレアスフィールの声に飛び引く。
それと共に、
シュカカカッ!!
パンッ!!
いく数千もの氷の氷柱が、宙に浮く光の女神の天と地に浮かび上がった方陣からとび盛り、同時にサラの高火力の魔弾がライフルから撃ち放たれる。
だが――。
「ダメね」
「ん……」
すべて見えぬ障壁によってふさがれる。
「では、これはどうですか!!ライトニングスラッシュ!!」
続いて放たれるのはシャルロットの一閃。
けれどもそれもやはり、
「な!?」
だが、やはり結果はこの通り。その一太刀すら受け止められ防がれてしい、まったくと言っていいほど効いていない。
下がるシャルロット。
そこへ、全員の攻撃を受けきった光の女神が動き出す。
「消えよ……」
「くっ!?」
「ん!?」
「っ!!」
それはたった一振りだった。
右手を天に突き上げ、軽く振るったのみで眩い黒い光が射し、俺たちを闇で覆う。
「これは、ダメね……。マリア……どんなけ力ため込んでるのよ……。反射しろ、ミラー」
覆われた闇の中、ミレアスフィールが魔力を振るう。
それは、ミレアスフィール自身のほぼ全ての魔力と言ってもいいそれほどの大放出で、この場から退却する手だった。
「ウフフ……またね。マリア」
そう、ミレアスフィールが言い残すと、射しこめる闇の中から三人の姿は鏡の虚像へと姿を変えて消えて行った。
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