都落ちの姫たち

梅春

1-1

 一心不乱にろくろを回す。

 都落ちの二十三の女を周囲の女はどう見ているだろうか。

 こんな田舎だ。

 きっとけちょんけちょんに噂されているに違いない。

 田舎は村社会だ。噂話と悪口だけが楽しみの村人で形成されている。

 私はエサとしてその中へ飛び込んだのだ。いじられ、もてあそばれ、楽しまれても仕方ない。覚悟の上の帰還だ。

 覚悟をしたというか、借金にまみれどうしようもなくなり、親に連れ戻されただけなのだが。

「ちきしょう・・・」 

 誰にも聞こえない小さな声で呟きながら、山吹美里は自分の熱でぬるくなった土をいつまでもこね続ける。

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