「宗教」と聞くと、抵抗を感じる日本人は結構多いと思います。
新興宗教を活用した悪質なビジネスが絡んでいたりする、という原因もあるのですが、元来日本という国は、あまりにも神道的な思想が生活習慣に馴染んでいるせいで、無自覚に「特定宗教だけを特別扱いしない」という下地があるのかもしれません。
そういう背景があるからこそ、日本人は「無宗教」と謳いながらも、クリスマスにケーキを食い、大晦日には除夜の鐘を叩き、正月は神社でお参りするという、宗教ちゃんぽんな楽しみ方をしているわけですね。
本エッセイの「おいたん」は、そんな一般的日本人からもう少しだけ宗教的な方向に歩み寄ったお方。
これがまた各宗教と適切な距離感が保たれている感じがして、実に教養深く、哲学的にしっかりされているお方だと感じます。
無知浅学な方だと、結構コロッと特定宗教にズブズブ入信していったりしますからね。
しっかり学ばれた上で上手いこと距離感が保てているというか、バランス感覚がとても良いのだと思います。
その一方で筆者様は、宗教絡みで色々一悶着があった模様。
人生山あり谷あり、捨てる神あれば拾う神ありといったところでしょうか。
そんな筆者様が「おいたん」によって救われていくご様子も、実に赤裸々に書かれています。
実に良きパートナーですね。
宗教との距離のありかたに程よきヒントとなり得る本エッセイ、特定の信仰を持たない方も、何かに入信されている方も、是非とも一度はお目通しいただきたいです。