幼馴染と俺が付き合うまでの話

あげもち

えぴそーど1 消しゴム

 とある日。


俺 「やべ…テストなのに忘れた…」


 朝の9時、解答用紙の1問目で俺の手は止まった。


 理由は忘れ物、そしてそれは…。


俺「…消せねぇじゃんよ…これじゃ」


 消しゴムだった。


 俺が使うシャーペンの芯は4B、これを指で擦って消そうものなら、きっと収拾がつかなくなる。


 まぁ、まだ1問目だから…と他の問題に一通り目を通すも、解ける問題が少なく、この1問目が大切な得点源だ。


 俺はため息をついた。


俺「よりにもよって消しゴムを…」


?「…消しゴムないの?」


 そう、囁くような声に顔を向ける。


 その声の主は俺の隣の席の雨谷あまや

 長くしっとりとした黒髪を持ち、かわいいというより、美人寄りな顔立ちで、スタイルも良くて、社交的な彼女はみんなからの人気者。


 そして、俺の幼馴染だ。


雨谷「ならいいよ、ほら」


 と消しゴムをこちらにチラつかせ、


雨谷「消しゴム、見せてあげる」

 

俺 「…」


 雨谷はいたずらに笑った。

 


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