根っ子が語る、Web小説のお話

根っ子

感想についてのお話

 はじめまして。私、根っ子と申します。Web小説を読んだり書いたりしている者です。

 元々ノベルアッププラスにて投稿していたエッセイですが、カクヨムにもアカウントを作成したため、こちらでも投稿していきますね。



 つい最近、地中の仲間のにんじんさんからお手紙が届いたんですよ。


「面白い小説を読んだものの、わたしなんかが感想を書いていいのかわからない」


 これは大問題です。丁度私も同じことを考えていたので、今回のお話は感想をテーマにしましょう。



 まずは先ほどの、「私なんかが」の部分を考えてみます。個人的な意見ですが、感想を書けなくてもやもやする、という状態は、おおよそ次の二つに分けられるのでは。


 読んでみてとても面白かった作品、信じられないほどの応援ポイントを受け取っている作品、驚異的なまでのブックマーク数、ランキングの上位でよく見かける作品……等々。

 たくさんの人が評価しているし、私なんかが恐れ多い……と思って、別にいいかなと止めてしまう。


 これが「作品に対して自信が持てない」パターンでしょうね。



 次に、伝え方に自信が持てないパターン。


「確かに面白かったし、応援もしたいけど、私の言葉じゃこの雰囲気とかなにかを伝えられないし、そもそも面白かっただけじゃ失礼だろうしなぁ……etc」


 私も時折陥ってしまう状態です。作品にではなく、単純に自分に自信が持てないと大体こうなります。感想を書いてもらう決心に関しても後々書きますが、余計問題なのが後者ですね。

 これから色々と感想を書く、ということについて意見を述べていきますが、最初に扱うのは、「面白かったじゃダメなのか問題」です。



・「面白かった」だけじゃダメなの?


 正直なところ、私が全てのWeb小説作家の意見を話せるわけではありません。ですが、私個人の意見としては「アリ」です。


 なぜアリだと答えたのか。それはですね、面白かったという一言だけでも大変な効果がある、と私が感じているためです。

 面白かったと感想欄やSNSで感想を書くという行動、それだけでも、作者の方に二つのメッセージが伝わります。


「誰かが読んでいる」という情報と、「誰かが面白いと思ってくれている」という情報ですね。これがあるか無いかでは、作者様のモチベーションに大きく影響するはず。

 この一言が、作者様のやる気に直結しているのです。「面白かった」だけでもいいので、どんどん感想を送っていきましょうね。



 ……という話は、Twitterや各エッセイで様々な方が書かれているのではないでしょうか。私も何度か見かけたことがありますし、その意見を否定するつもりはありません。


 ただですね、世の中には、「それでも納得できない!」という方もいらっしゃるのでは。

 面白かったの一言だけで作者の方が元気になり、モチベーションが上がる。それは分かっていても、面白かったの一言だけを書くのはまだ抵抗感がある。


 私はどちらかといえばそういうにんげ……植物です。なので、このエッセイでは、面白かったの一言を、〇〇が面白かったという感想に変えられるように、私がいつも気を付けていることを書いていきますね。



・感じたことを書こう


 最初に言っておきますが、これはいわゆる読書感想文の書き方だとか、そういったものに近いです。

 小さいころ習ったからといって、生きていくうちに頭の隅からこぼれ落ちてしまうかもしれません。どうせみんな知っているのだから書かなくてもいいだろう、と私が考えていては、今感想が書きたいという誰かに、私の意見は届くことはないでしょう。

 とりあえず、感想が書きたくても書けない誰かと、感想を書いていいのか迷っている私に向けて、書き方を記しておきます。

(これは感想を書く正解ではありません。あくまで私はこう書いているよ、という方法となります)


 あなたは小説を読み終えました。達成感や、面白かった、という感情に満ちています。面白かったという感想が直接作者様に伝えられるのも、Web小説の利点でしょう。

 私と一緒に、面白かったという感情を、感想として表現していきましょうね。



 まずは面白かったシーンを思い浮かべてみましょう。ここではっきりとイメージできるなら、〇〇が○○するシーンが面白かったとか、そのシーンが良かったことを感想に書けばいいと思います。

 読者がどのシーンを面白いと思っているのかが、直接作者様に伝われば、やる気になるのはもちろんですが、次もそういった場面に力を入れてくれるかもしれません。

 当たり前ですが、作者様にも、感想を書く側にも経験値が入ります。一つレベルが上がりましたね。


 各話それぞれに感想欄があるサイトでは(大半があると思いますが)そうした感想が書きやすいのでは。そのシーンで印象深かったことを書いていきましょう。感想は熱いうちに打て、です。



 少し困るのが、全体を読み終えた感想を書きたい時に、面白かったということは分かるものの、何が面白かったのかが理解できなかったパターン。

 凄く面白いんですよ。面白いけど、上手く言葉にできない。変な感想になってもアレだし、今回は書くのをやめようかな……となる前に!



・小説を分解する


 一つ一つ分解していきましょう。まずはざっくりとストーリーを分けてしまうと分かりやすいかと。主人公が何をして、どうなったのか。思い出がまだ頭の中に残っているなら、ここが面白かったと何となく分かってくるはず。


 まだ分からない時は、キャラクターの行動に注目してみましょう。それでも難しい時は、物語を見せる文章が特に面白かったのかもしれません。それも違う時は……といった具合に、どんどん小説を深堀りしていきましょう。

 面白かったとあなたが思っているなら、きっとどこかに理由があるはずです。紙に書きだしていくのも一つの手段ですよ。


 ○○(タイトル)が面白かったと紙に書いて、それにひたすら、「なぜ?」と書き込んでいきます。紙に書いてある文字に、返事をしていくと考えてみると分かりやすいかと。


 それでもまだ足りない……そんな時こそ、さらに分解していきましょう。

 ここまで行っても出てこない時は、恐らく文字数の多い長編を読み終えたか、とても短い短編を読み終えたかの二択なのではないでしょうか。


 私のチェックリスト……というか、質問リストを置いておくので、何かの役に立てばと思います。これのどれかに当てはまれば、そこから深堀りしていきましょう。(全部答える必要はありません。どれかに答えられたら、それでいいのです)


・タイトルに惹かれた?


・文章のどこが良くできていた?


・世界観は好み?


・一番好きなキャラクターは?


・気に入った台詞はある?


・ストーリーの山場はどこだと思った?


・思い返して、最初に思い浮かんだシーンはどこ?


・風景の描写はどうだった?


・印象深いフレーズはある?


・一話一話の切れ目はどうだった?


・一番スッキリした場面は?


・誤字脱字が無くて読みやすかったんじゃない?


・自分の感情が動いたシーンはある?


・作者さんが一番力を入れていそうなことは何?


・頭の中に映像が浮かんできた?


・映像が浮かんだのはどのシーン?


・上手だなと思った見せ方はある?


・ルビがあって読みやすかったんじゃない?


・カッコいいシーンはあった?


・かわいいキャラクターはいた?


・関心した点はある?


・世界観や設定に魅力を感じた?


・もう一度読みたい?


 ……以上となります。この中のどれかに当てはまったら、どこ? とか、なぜ? といった具合に自分自身に聞いてみましょう。

 ちなみに、似たような質問が時折あるのは、意味は似ていても問いかけ方が違うと、答えやすくなるかな、と思ったためです。


 この中でも、もう一度読みたい? という質問に「はい」と答えている場合は、深堀りして伝えるべきです。このなかでもトップクラスの破壊力を誇ります。

 もしそれを私が受けたら、十五秒間ハグした後に三回お辞儀をします。その後握手。(今の時期はまずいかもしれない)


 といっても、もう一度読みたい? という質問が思い浮かんだのは、丁度これを書いている時なので、これまでの感想に書くのを忘れていますね…… 大半が応募された作品なので、感謝の気持ちを最後に持ってきてしまうのです。

 (カクヨムはまだアカウントを作成したばかりなので、これからはどんどん感想を書いていきたいです)


 これを読んでいる方が、もう一度読みたいと思える作品に出合えますように。



・この作品に感想書くの恐れ多いんだけど


 伝え方については書いたので、今度はこちらの問題ですね。


 結論から言うと、ガンガン書いていいと思います。私自身がそういった多くの人の支持を集めた人気作を書いたことがないので、作者側の気持ちに立つことはできませんが、○○が面白かったと言われて、喜ばない作者さんはいないのでは。

 面白いと思った自分に正直になって、感想を伝えてみましょう。


 ハッキリ言いますと、感想に対して罵倒するような発言をする作者ともし出会ってしまった場合は、(いるのか……?)すぐに見るのをやめて別の作品を読むか、気分転換に全く違うことを行いましょう。

 読者に楽しんで欲しいと思っているなら、心無い発言が飛び出すことはないはず。読者としても、楽しみたいから小説を読んでいるのに、不快な気分になっては意味がありません。


 ついでに言っておくと、作者に対しての罵倒や誹謗中傷は感想ですらありません。例えどんな作品であってもやめましょう。

 規約違反している作品に対して私たちができるのは、感想を書くか、規約違反として通報するか、です。ルールを守って、楽しく利用しましょうね。


 

 話が逸れてしまいました。次にお話するのは、「自分の地位に自信が持てないパターン」です。こちらは少し状況が異なってきます。


 小説の感想を書くのに、社会的な経験や地位は必要ないと私は思っています。レビューや感想を書くといった行動は、読者であるなら誰が行ってもいい、というのが私の意見です。

 地位だの立場だのという前に、私たちは一人の読者である、と考えています。確かに、地位のある人に読まれたというのは嬉しいことだとは思いますが、私たちが感想を書いてはいけない理由には、なんの繋がりもありません。


 自分に自信を持って、というのは難しい話かもしれませんが、少なくとも、感想は誰が書いてもいいのです。気持ちを伝えていきましょう。



 こんなところでしょうか。とても長くなってしまいましたね。ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 そして、ここまで読んで、少しもやっとする気持ちを抱いている方もいるのではないでしょうか。


 私の予想となりますが、「作者を喜ばせるために感想を書いているのか」や、「作者にとって都合のいいことしか書いていないじゃないか」といった意見があるかと思います。


 作者を喜ばせるために感想を書いているわけではない、というと嘘になります。少なくとも、面白い作品を書いてくださった作者さんを応援したい気持ちがあるからですね。


 作者にとって都合のいいことしか書いていないというのは、難しい意見だと思っています。これに関しては、感想欄に「気になる点」がある別サイトのように別途書く欄がある場合もあります。


 これを言ってしまうと身も蓋もないですが、作者の方に「ここはこうした方がいいのでは」、と意見が出来る方は、これを読まなくても十分感想を書けると思います。作品の批評や、評価もできるかもしれません。


 このエッセイは感想を書くということに自信が持てない方へのメッセージとして書いています。そのため、自分はこう感じたとハッキリ伝えられる方は、もう次のステップに進んでいるのでしょう。

 これからも素晴らしい作品や、面白い小説に出会えますように。その時は是非、感じたことを発信してみてくださいね。


 今回のエッセイは以上となります。最近少し自分に自信が無くなってきたので、頭の中を整理する目的も含めて、この文を書きました。

 この内容でにんじんさんが納得してくれるといいのですが。それではみなさま、ありがとうございました!


 良いWeb小説ライフを!

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