離れていってしまった君へ

瑞月 澪

言葉の賞味期限

深夜1時過ぎ。 君はふと、こんなことを言った。

「ほかの人と寝落ちしてほしくないなぁ。 私とだけがいい。」


その言葉の賞味期限はいつまでなのかな。 

君から離れていったくせに、君は言葉の呪縛だけを残していった。

そんな言葉、君はとっくに忘れてしまっているのだろうね。

それなのに僕は、ずっと縛られつづけ独りで夜を過ごし、君のことを思い出してしまう。


感情が豊かで、僕にとってはなんちゃないことでも一生懸命楽しむ君の姿。

しんどい時に、隠そうとするけれど少しにじみ出てしまっている君の声。

ちょっとした時に、大人っぽい色気を感じさせる、君のしぐさ。


色んなことを僕に植え付けたのに、ずるいよ。


本当にずるい。 でも、最後の言葉でさえも愛しかった。

大好きです。




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離れていってしまった君へ 瑞月 澪 @Mizuki_rei

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