そして二人は巡り会う。

第6話

世界は移り変わる。


止まってくれと願っても、


戻ってくれと足掻いても、


終わってくれと嘆いても、


どんなに苦しい時も、悲しい時も、苛立たしい時も、楽しい時も、嬉しい時も、


世界は平等に不平等だ。


理不尽は勝手に来ては去っていく。


願ってなくても、要らないと思っても、何とも思っていなくても。


理不尽だ。


と考えたことはあるだろうか?


例えば、津波や雪崩といった自然現象。


例えば、皆がしているのだから我慢しろと言ってくるルール。


例えば、勉強しろ、仕事しろと言ってくる法律。etc........


例を挙げればキリがない。


こういうものは、大抵周りがしているからしなければ、我慢しているから、我慢しなければとこちらを圧してくる。


「何故、物を投げつけるの?護ってあげたのに、助けてあげたのに。何故?なぜ?ナゼ?ナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
















な、ンで、、、?」











助けを求められた。


救ってくれと請われた。


護ってくれと哀願された。


だから、助けた。救った。護った。


どんな脅威からも悪意からも。


少女は目を開いた。


目の前には1人の少年がいた。


何の変哲もないのに、心が、感が、魂が警戒しろと、悲鳴をあげた。





殺される。






と。


しかし、少女はそれでもいい。


と考えた。


助けてきたものに裏切られて、信じてきたものに騙された。


もう、苦しみたくない、と思った。


だってここまで頑張ったんだから、もうじゅうぶ「それでいいのか?」



「?」



現実では短く、けれど精神の時間ではとても長い時間の思い出に浸っていたら、少年が少女に問いかけた。


「何、が?」


「そこで、諦めていいのか?」


「、、、、いい、よ。ううん、もう、諦めたい。どれだけ頑張ったと思う?どれだけ努力したと思う?勝手に期待して勝手に望まれて。裏切りたくないから、失望されたくないから、努力したのに、なりたくなかったのに神にまでなった。

そうしたのに、裏切られた。もう、嫌なの、裏切られるのも、望まれるのも!」


「お前は、本当に、«そう»思ってるのか?」


「、、、、、。これ以上何をすればいいの?«そう»思うしかないじゃん!そうしなかったら、もうダメなんだよ!嫌なんだよ!私だって生きたかった。自由にしたかった。

でも、認められなかった。」


「、、、、、、、ふっ、ふふふふ、ハハ!ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

少年は心底可笑しそうに笑った。


「何がおかしいの!?」


「、、、お前、 今自分で言ったじゃないか。」


「何を!?」


「生きたいって、自由になりたいって。」


少女は苛立たし気に怒鳴るように言った。


「それがどうしたの!?もう無理なんの!疲れたの!頑張りたくないの!!」


少年は呆れたように、けれど優しく言った。


「頑張らなくていい。努力しなくていい。お前はもう十分頑張ったんだんだから、他の誰にも認められなくても、肯定されなくても、お前自身が認めなくてもいい。」


少年は、言った。





「俺が、認める。お前は十分頑張った。努力した。俺が肯定してやる。、、、だから生きろ。自由になれ。


それに、世界が!



運命が!



お前を見放しても!



俺は!


例え、百人中百人が否というようなことでも!


君を、


支え!


助け!


肯定し!


認めよう!


俺は、いや、俺が!


君の存在を祝福する!!」


少年は叫んだ。心の底から。


「、、、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


少女は泣いた。今まで我慢した分を吐き出すかのように少年に抱きつきその存在を確かめるように抱きながら。何時間も何時間も泣き続けた。

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