千堂とアリシア、魔鱗2341-DSE(実験機)をチェックする
『その覚悟に揺らぎはありません』
アリシアの言葉に千堂は大きく頷いた。
「ありがとう。それでは私もできることをしなければな」
休憩の間も、アリシアが淹れてくれたコーヒーを口にしながら千堂は彼女と共に詳細なデータの確認を行っていた。
ちなみに千堂は、明らかに失礼に当たるような場合でもない限り、基本的に、自分で持ち込み、アリシアが用意してくれた物以外は口にしないようにしている。特に、他の都市が管理する軍などが用意したものは。
とは言え、それは余談なのでさておくとして、千堂とアリシアは、現時点で自分達にできることはすべてやっておこうということで、
メンテナンス用のカプセルも持ってきており、元々は技術者でもある千堂と、
なお、コンテナごと控え室には当然入れないので、
また、
簡単な指示に従って自分で移動はできる程度である。
<ポセイドン>で使われる
実験機や試作機で使っていたデータをそのまま製品版にコピーして使えるものの場合は、実験機や試作機の段階で自律行動させることもあるのだが。
いずれにせよ、今はアリシアのリンクによって動作し、ローブを脱いで控え室で様々なシミュレーションが行われた。
実際に使われるハーネスを取り付けて、機体に干渉しないかどうかも確かめる。
メイトギアは基本的に人間が使える道具のほとんどがそのまま使えるようには設計されるものの、
とは言え、メイトギアであることには違いはなく、ハーネスをつけた状態で軽くジャズダンスを踊ってみたが、問題はなさそうだった。
その光景は、
『軍の施設の中、真剣な表情をした男性の前でレオタードを着た女性がハーネスを身に付けてジャズダンスを踊っている』
ようにも見えて、知らない人間が目撃すると異様にも思えたかもしれない。
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