4月13日 雨の朝

 雨足が激しい。夜中に寝れずに聞いていたよりも一層強く雨が鳴っていた。

 部屋が、暗い。

 時刻を確認して、そろそろ起きないと、と私は体を起こした。頭がぼーっとしている。今日は父親がパンを焼いたはずだ。

 パン焼き器はしばらく祖父母に家にあった。買ったのは10年ほど前で、その頃は頻繁に父親が作ったパンを家族で食べていた。その器械が、久々に家に届けられたのだ。

 パンにバターを塗る。冷めていたが美味しかった。

 部屋は雨のおかげかとても寒く、風呂上がりの母がやかんの湯を沸かした。

「はやく髪乾かさないと、風邪ひいちゃう」そう言って棚にある生姜湯の粉を取り出す。

 久々に飲む生姜湯が、甘くて美味しい。

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