インスカルブルーレス

象の背中に4月の桜が平伏すまでに

あなたの水瓶に紅い百足を這わせていたいのです

氷点は吸われていき 日差しは薄くなるまで漂泊

また私は躓く季節に足を無くしている


漂う様に歩いていき 取り返した頃に

咲いている花の笑みを絶壁で見る眼で眺める

あなたが昼に紛れた破片の導火線に

ライターを投げれるのなら

何処まで大気は燃え上がるのでしょう


斜陽の坂で日々を取り戻せると願うけど

私はきっと弄ぶ子供のようになっている

あなたとは泳ぐ道路が違うのよ

きっとライ麦畑の真ん中で恋する事もない


呼吸の様に開くドアを抱きかかえて

波の音で話す貝殻に話しかけよう

私は足ごと靴を脱ぎ棄てて

蟻の列からありゃしない詩でも唄います

まだ早い蠢かぬ春の気持ちを沸騰させて

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