短編詩#27

『涙の色』

溜息は白でそれはどの季節でも変わらないさ

冬みたいに寒くなると姿を出すのさ

皆は私に関心なんて無いのに

笑い声は自分を笑っているようで

お陰様で私は外に出る機会が増えました


そろそろ溜息が白くなる季節だから

厚着をしなきゃならない

どれを着ても私は笑われるのだけれどね

そんな感傷も一部は本当だと知ったから

ほら景色が濡れていく


涙の色はどんな色

血から赤を除いたものだってさ

そんな夢の無いこと言わないで

透明な水色に決まってるじゃん

一滴舐めてみれば分かるよ

掬った海の味がする

今日の夜は星が空を伝い零れるよ多分


今日も誰かが指を指して笑っていた

鏡に写る私を笑ってるようであった

皆が手を振っていたから振り替えした

後から一人が息を切らして私を追い抜いた

きっと嘲笑ってるんだろうね

されてもしょうがない私と頷いても

部屋までまた涙を溜めていくのね






『STUDY』

明日の事なんて分からないから

予習なんて出来っこないよ

だからいつも前日は焦ってる

明日が不安だと焦ってる

つまり毎日のようにそうしてる

だから私は復習をする

あの時はこうだった

こうすれば良かったんだ

納得して私はまた失敗すると

気分を落ち込ませる

何時もの様にそうしている


私の居ない所の出来事なんて知らないし

隣にいるあなたがどんな人かも知らないし

私は一体何のために生きてるのかすら知らない

これらは全部知りたくもない

知った所で私に起きなきゃ無いのと一緒と鼻で笑い

知った所でただ隣に居ただけの遠浅な人間関係で

知った所で私が抱く価値ほど高くはないのだから

それでも人は言うのだった

分からないことは勉強して学べと

もう疲れた






『◇◆PULSE◆◇』

電波を参照にして

概則の範囲を黒から

一直線に輝く黄色へ

弧が軌道を委ねる時に

私は最果てに変哲を起動する

両翼を閉じて瞳の宇宙へ

瞼を閉じて更に暗さを増して

気泡の絞輪に取り込まれる

内圧が狭まっていって

高速で駆け巡る

やがて起きる爆発に

生まれた動脈を目指す

円盤の群れと流れを共にし

白に阻まれて溶かされる

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