短編詩#24

『二人の母親』

ちいと、ちいと、ちいとっと

こそこそ歩く人の子は


お庭の雀を捕まえて母に笑って見せる

雀の子はもがくも直ぐに沈黙する


人の母は我が子の頭を撫でてあげる

雀の母は摘まれてしまうかと泣いていた




『日の昇らない』

私は夜の草原に立つ

日は疲れたと塞ぎ込んでしまった

多くの国に愛されるのは大変

人となると更に大変


あの山を超えた向うの海には

大きな扉が横たわる

そこに太陽がいるのだけど

鍵穴が無くて開けれない


私は五年ぽっちの生涯を振り返る

太陽の日差しが気持ち良く伸ばせる

そんな唄があったと

言葉頭が出そう

喉元で外を伺ってる




『しけった』

りんごは渇いて

しけっておりますが

この感触は

私の頬のうちに合うのです

甘くその脆さに

歯ごたえ感じます

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