TIME 00:00~

『00:00』

あなたの戯言は記す事で真実になり変わる




『00:15』

夢は欠伸で吸った酸素を燃やして見える




『00:30』

昨日のままの水入りコップは埃が泳いでる




『00:45』

深夜は皆が眠るからテレビも好き勝手する




『01:00』

外の夜はこれ以上暗くも明るくもなれない




『01:15』

星が先住民ならば砕けた時に何になる




『01:30』

風呂の湯気に混ざって疲労は上って行く




『01:45』

シャンプー中に背を泡が伝い視線を感じる




『02:00』

心だけの人が出歩くから鏡を見ず寝る




『02:15』

一人暮らしの廊下は僕以外でも軋む




『02:30』

少し臆病な僕を虫の音は夢へ導くのだ




『02:45』

キリンが線路を歩いていて牛の肌をした




『03:00』

綿が空中を漂ってる触れようとすると燃えた




『03:15』

連続されている夜と夜に静止物は会話をする




『03:30』

陽の無い夕方に帰り道は影から無くなる




『03:45』

空が膨み風を吸い吐き出した温い風を受ける




『04:00』

同じ顔をして手を振るのに顔を思い出せない




『04:15』

昔は犬が配達屋に騒いだのに今はまだ寝れる




『04:30』

挨拶を交わした寒い朝は思い出すとほのぼの




『04:45』

柔らかい時計を持つと破けて時代が溢れた




『05:00』

冷蔵庫の唸る音がして体温を感じれた




『05:15』

雀は遠くへは行かない燕は季節の進む方へ




『05:30』

電柱の電気は流れたままで毛糸は網かけ




『05:45』

日差しが僕を覚まさせる時計は役立たず




『06:00』

カーテンを開けずベランダに出て煙草を吹す




『06:15』

渇いた喉と疲れ切った濃い色を水で薄める




『06:30』

フライパンに焦げ付いた卵は左肘の傷に酷似




『06:45』

言葉数の少ない少しだけ君を乗せていた




『07:00』

占いは最下位でもアナウンサーは笑顔




『07:15』

有名人は捕まって僕は手摺に掴まる




『07:30』

群衆に心は交通しない




『07:45』

晴れた空は焼けた髪を染め上げる




『08:00』

桃色の花をこの時に見掛けたい




『08:15』

水の煉瓦を積み上げて針金で縫う




『08:30』

犬は忠誠だが放せば走る無邪気さもある




『08:45』

干された布団の出す甘い粉に蝶が寄る




『09:00』

魚は川の流れに惑わされない




『09:15』

昨日の月はまだこちらを伺う白くなって




『09:30』

その城は部屋まで埋めたのに風に散る




『09:45』

捨てられた留置所で置いてかれた君を待つ




『10:00』

日めくりは止まったまま時代を歩む




『10:15』

ただ生きてるだけなのに神や不吉と烏を呼ぶ




『10:30』

猫の道を歩けば自由になれる気がした




『10:45』

囀る鉄の擦れる音と女の色気声




『11:00』

風に舞う白い花びらは遥を踊りながら




『11:15』

愛しき人よ古びた町は所々変わりました




『11:30』

例えば行く手を途切る遮断機とか




『12:00』

この味覚が満たされる午後へと向う




『12:15』

真上に太陽が昇っても鳥すら見上げない




『12:30』

赤子の袋はゴミ収集車が運んでく




『12:45』

煙草を吹し煙の消えた跡を辿る




『13:00』

交番の入口は壁側に付いていて周れない




『13:15』

建設途中のビルはこの姿を気に入ってたのに




『13:30』

信号機は胸に付いていて僕は何かを止めてる




『13:45』

僕が歩く日 街は人が二倍に増える




『14:00』

宝石は綺麗なままで触られず




『14:15』

ホテルへ入る君の笑顔は澄んでるのに




『14:30』

この道で風船付けたカンガルーと出合った




『14:45』

カーテンの揺れる部屋に光は入らない




『15:00』

その子は菓子で 自身の手を囓る




『15:15』

知らないあなたと二度会えました




『15:30』

クーラーは感情を冷さない




『15:45』

蜃気楼 逆さに設置された道路を兎が渡る




『16:00』

僕が生まれたのを母と言う人から聞いた




『16:15』

夕焼が僕に帰っておいでと撫でる




『16:30』

蛙が何処かで鳴いたから人は自宅に帰る




『16:45』

僕が歩くより経つのは早く 星が出て来た




『17:00』

ライトを線で描き太古から照らされぬ場所へ




『17:15』

轢かれてた猫の側を知らん顔で猫が歩く




『17:30』

今日の月は大きく 裏側の設計はまだ途中




『17:45』

ロビンスは絵画から抜け出してた




『18:00』

青林檎持った彼女の肌色は奪われてく




『18:15』

早朝の過去に 僕は遠回りを覚えた




『18:30』

風を釣る子供と 他愛もない雲と会話




『18:45』

誰も居ないのに 閉ざされた心を見た




『19:00』

テレビが一人で喋っていて僕は聞くばかり




『19:15』

昨日のサラダはまだ瑞々しい肌をしてる




『19:30』

楽しくなる夜に今日は 腐敗していた




『19:45』

脳の鬱を浄化する モルヒネの泳ぐ瓶




『20:00』

ヘラヘラしていた 会話もない 風鈴と




『20:15』

狂ってしまえば 平面も転がる 円状に




『20:30』

錆び付くならば 燃尽きたい 心情へ注ぐ




『20:45』

何も誤魔化せない 影なれど世は裸のまま




『21:00』

僕の水脈を研いだ指でなぞる




『21:15』

夜には愛が始まり 朝には恋が始まる




『21:30』

待ち合わせは泡になって溶けた 淡く




『21:45』

抜け出す光よりも そこにある黒は速し




『22:00』

シャワーも哀しくて 塩水ばかり降す




『22:15』

歯磨きをしてると 横切る人の透き間風




『22:30』

呪いの檸檬を小皿に 夢へと最新の出掛けた




『22:45』

発光する花 マリンスノーと海辺の波音




『23:00』

鳥人間は屠殺所へ 角に首を動かし




『23:15』

固まった年寄りの背は 一本の木が生えてる




『23:30』

髪を毟る 灰汁に似た プランクトンが来る




『23:45』

誰も知らない あなたは同じ詩を新作と言う




『24:00』

階段を落ち 円を歩かされまた同じ日が来る

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