バーサーカー

風を握り潰すと

白い砂が手の隙間から零れ落ちる

古い滴を零した跡の味は鉄

血糊の付いた斧を指で辿り

その紙を張り付ける

真っ赤に縁取りされていく

森の鳥達は沈黙する

互いに絡み合い光を奪い合う

樹々の影に止まりながら


狂った騎士は顔を見せない

厚い鉄仮面を身に着けて

霧を纏いながらやって来る

花ですら視線を逸し蕾を閉じる

静かな村はより一層静まり返る

ただ塗立ての小屋に変わる

魚が遠くで釣れるのを

若者は不思議がらずに舟を扇ぐのであった

波紋は息絶えてるのを知らずに

斧が売られない日

町は馬で遠くへと行く

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