青林檎

田畑に囲まれたとこの娘は

男と言うモノを知らないのです

その時は少しばかり

蕾が顔を覗かせて居た頃


まだ若い身体は青林檎さと

自身を喩えていましたが

青林檎はそれで出来上がっていて

赤くは決してならないのです


収穫の時期に娘は男を知りました

それと同時に女との違いを知りました

哀しみに帰らなくなった

近所の手入れのされて無い空き家で


あの木は出来損ないばかり実を付ける

娘は付き添いの男にそう言った

素肌が違うだけで此所まで違うのかと

ある林檎は青褪めたのだった

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