エトフォソニア

酸素が歩いていました

二足歩行で酸素はペタペタと鳴し歩きます

私達は何処か感情とかが鈍りそうで

全部が空中の層に染まる前に

酸素を捕らえて殺してそれを食するのです


君は今

水となり坂を逃げ流れている

君は液体になった泥棒だと誰かが言った

斜面を君は逃げ跡残しながら下ってく

皆は走って追いかける片手にはストロー

もう片手には小さなビニール袋


かつて森の不良達はシンナーを含め

無機質に空を眺めたそうだ

そんな贅沢な時代は死んだのさ

私達は貴重な酸素を求めている

汚れなき純度100の酸素を


君は段々と身体を地面の熱に奪われる

やがて君は何処を目指してたのか

途中で居なくなってしまった

皆は泣き狂っていたけど

酸素が向うで歩いてたから

獣が狩る様に走り出す


この砂の町のコンビニ

そこに秘密があるのを知っている

つい最近行方不明になった子供

あれは緑の液体塗れで死んでいた

この世界で私達が生き残る為に

小さな実験が行なわれている

光合成人間製造実験

いずれ全滅するであろう酸素

その前に成功されるのを望まれている


私はそれを望まない

緑肌になんかなりたくないのさ

この先の光合成人間は気持ちわるがられ

差別されて暴動になるに違いない

このままを望む訳では無い

ただ本当に人が終るのは

そこからなんだと思う

誰もそれには気付かない

歩道橋が建てられたかつての様に

誰もそれには気付かない


太陽は照らす

酸素は逃げる

人は追いかける

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