爆竹の歌

交差する人の隙間を風が泳ぐ

背徳とはいつ色褪せるだろう

この私を撫でる野原はいつか赤く燃え

映した瞳にだけ緑が残るのだろうか


君がくれた

飴玉は水の様に透けていて

連れ出せれたならなんてね思ってたけど

今は言葉の全てがエレジーに変るんだよ


過ぎ去って行く昨日に

流されてしまいたいと思う心がある

空いた電車内でそれを思うんだ

座ってるのに時速で過ぎてく景色を見て


この小さな手に

帰ると繋いだ約束があって

空は砕かれ剥がれ落ちるけども

他の音を殺して鳴り響け 愛の歌


涙で海が出来上がる前に

性に溺れて沈んでしまう前に

響き止め銃声とそれにのる悲鳴

小さな胸のリズムに


墜ちてくよ光らない風となって

進んで行くよ埋もれた殺意を知っても塔へ

その全てを救いあげる優しい湿度

他の音を殺して鳴り響け 愛の歌 愛の歌

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る