セセラ

撫でてみた

寝転んでみた原っぱで

口から吐き出すシャボン玉

飛び込んで風に揺れてみた

じゃれている二人には

言葉が無くても笑顔が見えてた

一人だけでは見えないでしょ

温もりのある愛のピストル

押し付けて引金を引いて

打ち込んだ愛は垂れこんで

立ち上がれば足を伝い凍え死ぬ


もう一度だけ

蜂に誘われる花になった

混ざり合う唾や蜜に

甘い言葉を零してみよう

心を閉じたままにして

扉を出入りする蜂に

花びらで目隠しして

声を殺して頬を色付かせた


足を擦らせて付着させる

それを隙間からみていると

雨が降って来た

潤いのない雨が降り注いだ

蜂は無音で飛び去った

起き上がれば足を伝い凍え死ぬ

私は弱く臆病な気持ちを

心に隠していたんだ

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