ブランコ

黄昏ていたいのです

甘さが残ったブランコの上

夕焼けが大きな顔を出して

放送音が聞えたなら

子供達は低空飛行にて家に帰る

私は缶ビールを飲みながら正面のコンビニ

人の出入りを見ていた

すると蜻蛉がやって来た

真っ赤な赤蜻蛉だった


『お姉ちゃん、君はどうして暗い顔をしてるんだい?』


私は溜め息混じりに皆が離れていったりするんじゃないかと

吐き出せない思いを蜻蛉に打ち明けた

蜻蛉は言う


『お姉ちゃん、蜻蛉返りして見ようか?楽しいよ?只、これは内緒だよ。』


私は夕日の顔が無くなる頃まで

ブランコにて蜻蛉返りの練習をしていた

楽しかった

そして私は空高く舞い上がり一回転すると自宅に着いていた

蜻蛉が忙しくやって来てこう言った


『お姉ちゃん、良かったね。これからお姉ちゃんは楽しい日々を過ごせるよ。』


蜻蛉はそう言うと何処かへ帰って行った

私はそれから

飛ぶ様な毎日を過ごしている

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