憂鬱の果てコートが必要みたい

嗚呼…五月雨や夕凪

憂鬱の果て

貴様の後ろ 電車走らせた

急げず先に散れ

嗚呼…衝動の果て

紅く染め上げた 眩暈の景色


寄せて…寄せて…寄せて…手繰り寄せて

聞いて…聞いて… 声も 感触も

指で弧を描く

何時か泳げます様にと

何時か見せた笑顔も

その時はちゃんと覚えています様にと

嗚呼…嗚呼…


嗚呼…明日は消えず

壁となり建ち塞ぐ

瞬きをして開く度

全てが逆転して見える気がする

嗚呼…壊れたてのスピーカー

火花散らしてる

理由を無くしたその姿は

以前よりも美しいと思えた


吐いて 暴いて 定めて 撃って

私…見えますか?

白い暴動と 花の息を

誰か私に麻薬を頂戴な

三日眠らず笑えるなんてとても幸福じゃない

円の端っこ 有りゃしないのに

泣いてる人へ

どうか見付かります様に

嗚呼…嗚呼…


拒絶 愛 下落 愛

幻滅 愛 絶対 愛…愛…愛…


ーーーーーーーーーーーーーー


私はスープ

掻き混ぜた

少々の嘘を混ぜて

誰かが来た 透明人間

彼はつい昔まで

肌に色がありました

私が水溜まりに

転んで笑って見せたら


真っ赤になって色が落ちていきました


私は出来るだけ肌の伝えるものを読み取る為に

裸で彼を抱き締めた

心拍数は速くなっていく

胸に耳を澄ます頃には


全てが通常でした


私は乾いた外に

温もりを感じました


夜明けを迎えるまでの

夢の記憶が有りません

ドアが開いたままで

彼の行方を見逃した


寒いのは嫌いよ


彼の事を思うならば

足跡の残る季節にしなきゃね


今年もコートが必要みたい

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