フレンド

フレンド 海に行こうよ

浮輪に浮いているあの娘は

10年後には美人になっているとか話そうぜ


自転車で坂を上り

勢い良く下ろうよ

僕らのナイーブさが壊されても

小さな所に残ってる様に


※※※


バス停にあなたはいた

2005年の 夏

麦藁帽子が飛んで行くのをここでみたの

僕がガードレールの向こうの木の麦藁帽子を取ろうとしている間に

あなたはしぶしぶとバスに乗るのをみた


僕は戻って下りを上り返し

坂を勢い良く下り

窓を開けたあなたの手に麦藁帽子を渡したかった


ソフトブロックが邪魔をして

あなたは差し延べたまま遠くへと消えて行き

麦藁帽子は揺れながら海へと揺れて行った


その日の海は辛味のない塩の味が交ざっていた


友達になりたかった


※※※


フレンド これからも一緒に居よう

手紙が交わせなくても20年も会えなくてもどんなになっても

久しく話せる友であろうよ

僕が今日はソーダをおごる

これはこれからも居れるなら返さなくても良い

そうなった時に

二人を繋ぐおまじないにこの80円はなると思うんだ


※※※


僕は麦藁帽子をその後に拾い

あなたとの友達になる為に大事に部屋に飾っている

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