ベランダ
外は大雨で 風向きの関係でベランダには雨粒は落ちてこない
遠くの工場に霧がかかる 煙突の煙が霧と重なる
人が傘で見ている僕から顔を隠しながら急いでいる様だった
ツバメがベランダにとまった 羽根の油が抜け落ちて 上手く飛べなくなったみたいで
僕の優しい手に命を託す無抵抗な姿が見られて悲しい
ねぇ 温もりとはこの天気に現れるものと同じ成分なんだと気づいたんだ
暫く溜息ばかりで からって晴れると同時に開き直るものなんだよ
テルテル坊主が首を吊っている お爺さんが冗談交じりに言っていた
昔から雨はなんだかんだ嫌われ者で
天に人を捧げることで晴らすってのが由来なんだよ
って言葉を思い出した
神様とは随分下らない理由をつけて招待したい奴なのだなって思った
僕はこの部屋に人は入れることなんて無いんだろうな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます