柔軟化する暑さ

水溜まりの隅で輝いていた木漏れ日を

私はいつも救ってあげられない

もう少しで薬局に辿り着ける

柔らかくなる処方箋を渡すんだ


暑い季節だから命が多くて喧しい

逃げ水もずっと藻掻き苦しんでいる

氷が笑い声をあげている

常に生きたサイレンが鳴り響いている

どれも歪で鋭いから私を削ろうとする


白いスカートに青いソーダアイス

溶け出した時は透明になって染めない

でも干上がった糖の香りが誘き寄せる

夜が早く来て欲しいとこの時ばかりは願う

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