暗に*

…………


ふわふわという感覚だけが分かる。


膝下と、首の後ろを暖かい何かに支えられている気がする。


ふっと耳に息がかかる。


そして、耳元で何か囁かれた後、


柔らかい何かが、首筋に触れた。


…また、僕は、意識を遠のかせてしまう。


その正体が誰かも分からずに…。





………


「っはぁ、んッ、んぁ…」


耳から甘やかな声が聞こえる。


クチュッ、クチュン…。


微かな水音。


…チュゥ!


「ぁあっんン!」


ビクンっと自分の体がけ反る。



…自分の体…?


だが、起き上がることが出来ず、意識もはっきりしない。


目の前に誰かが居るのだが、視界が朦朧もうろうとし、誰かなんて全く分からない。


目の前の何かは、僕の上半身の突起を片方はクリクリとね、

もう片方は、顔を近づけ、吸い付いている。


あぁ……乳首が、ヒリヒリ…して…なんだか張り詰めている感じがする…。


クリクリ…クリックリッ


今度は、舌で捏ねられる。舌先で器用に先端をいじられる。


「んぅ…ぁ、やぁ、んンぅ」


声を出そうとした。だが、その声は甘えるような声にしか聞こえない。




「ふふっ…もっと?」


その音…声に聞き覚えがあったが、


頭の中で、何かが詮索はやめろと警鐘けいしょうをならす。




まるで…




____その正体は知ってはいけないかのように。

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