第5話

ご飯も食べ終わり、麦茶を飲んで水分補給。冷たい麦茶が体に浸透していく。白熱した試合と体にはぴったりだった。


「どこか出掛ける?」


出掛ける気分にもならない午前はゲームをし、午後は外で思いっきり遊ぶのが通例だったが


「いや、この後用事あるから帰って。ス○ブラでもれんしゅうしときな」


ガチャ、カシャ、カシャ。


家の鍵まで閉めなくていいでしょ!ポイッと揺士のお家を追い出された。はいはい、彼女さんね、私とは違って清楚で大人しい鳥谷さんね!前は遊びに行く友達いなかったもんね!せいぜい楽しんでください!


のしかかってきた徒労感と一緒にソファに座る。放り投げていたスマホに手を伸ばす。そして。また放り投げた。・・・暇だ。


「もしもし、三鷹。今日遊べる?」


スマホで三鷹に助けを求めた。


「ふ~ん、幼馴染キャラで行くことにしたんだ。案外まともでよかった。突っ走って、告白ぐらいするかと思ってたから」


はは、揺士に彼女が誕生したと聞いた日の私だ。


「それで、揺士くんは鳥谷さんを優先して美結は蚊帳の外な訳ね。恋の苦しみは理解するけど、私にも予定があるのも忘れないでほしいけのだけれど」


ゴロゴロ、ガシャアーン。ストレス発散に来たのはボウリング。


「やったっ、ストライク」


頭がパンクしそうだよ!


なんで全部お見通しなの!発信機?盗聴器?でもつけてる!?


何なの、恋の苦しみを理解って?いや、三鷹に彼氏がいるのは知ってる。うん、知ってる。その恋なんて不必要、生産性の欠片もない無駄なものです、みたいな顔で言わないでくれる。脳がバグっちゃうから!


ボウリング楽しそうだね。何よりだよ。


その声は何!?かわいい、かわいい!萌え声というやつかしら。ギャップがぐさっと来たわね。一番の驚きね。


あと、実はボウリングガチ勢だったりするかしら?


ここまで来たのだし全力で楽しみますか。ピンを揺士だとでも思って。


勝者:三鷹。二人とも二百点越えの接戦だった。








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