閉じる
表示設定
目次
言葉が掻き消す真実
受話器の向こうから
ハキハキとした声で
明快な口調の言葉が
流れてくる
はるかに離れた場所にいる
一人と一人は
それでお互いの無事に
安堵するだろう
ただの言葉
ただの音
その場だけの
形だけの虚飾に
お互いを
騙しあっている
言葉は空虚だ
言葉でしか
人は理解し合えない
その心のうちを表現できないのに
言葉には何の真実性もない
あなたの日常
一日を
十日を
半年
一年を
言葉にする時
それは一日すら必要としない
短い言葉に要約される
あなたの一日が
ほんの数分にまとめられる時
言葉は空虚さを
剥き出しにしているのに
その言葉を聞いた人間は
それに気づくことがない
切り捨てられた部分にこそ
本当に注意すべきこと
本当に重要なことが
紛れ込んでいるのに
ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）
応援したユーザーはいません
応援する
アカウントをお持ちの方はログイン
カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。
新規ユーザー登録（無料）
カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック！
カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう！
応援すると応援コメントも書けます