浮かび上がる花びら

強い風が吹くと

思わず目を瞑って

顔を背けてしまう


そんな僕の真上を

風に舞い上げられた

一枚の花びらが

頼りなく

でたらめに翻弄されて

空に向かっていく


いつか

また地面へ

落ちてくるはずの

その一枚が

なぜか

いつまでも

地上に帰ってくることなく

どこまでも

どこまでも

空を飛んでいく

そんな光景が

脳裏に浮かんだ


地上を失う

落ち着く場所を失うことは

不安だろう


空には

何があるのか?

風が気まぐれに弄ぶ

何かが

僕たちからは見えない場所で

固まって

浮かんでいるのだろうか?


その空を飛び続ける

集合体には

何故か

自由が幻視できる

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